【完】君を酔わせるまで離さない〜ワンナイトのはずが絶倫すぎる俺様副社長に本気で囲われています〜
若干の苛立ちを乗せた声色で麗奈が静かに問い返した。にこやかな微笑みが僅かばかり強ばっているようにも見える。
稔はゆっくりと首を振った。
「そうは言っていません。ただ、時東の影響力は強い。強すぎる。強い相手と組めば、意思決定の重心は必ずそちらへ傾く。それを協業と呼ぶのか、依存と呼ぶのかは、立場次第じゃないかと俺は思うが」
食卓に並ぶ色鮮やかな前菜が、今の冷え切った空気の中では無機質なオブジェのように見える。隆之はそれに箸を伸ばしながら、自分自身に言い聞かせるように低く言葉を続けた。
「依存と断じるのは早計です。氷室も高坂も販路が足りていないのは事実だ。だからこそ、副社長である奏汰に二週間の長期にわたって都内での販路開拓に取り組んでもらった。品質に自信はあっても、届ける力が足りない。そこを時東の力で補完できるなら、検討に値する」
「補完、か」
小さく呟いた奏汰の声音は地を這うように低く、感情すら乗っていないように感じられた。
「補完なら条件は対等であるべきだ」
奏汰の言葉を引き継ぐように、稔が静かに言葉を続ける。
「高坂としても、条件が曖昧なまま進むのは賛同しかねる。連携は賛成だが、奏汰と同じく俺も対等であることが前提だと思ってる」
「価格の最終決定権はどちらが持つ? ブランド名の商標権は? 売上の利益配分は明文化するのか」
稔はゆっくりと首を振った。
「そうは言っていません。ただ、時東の影響力は強い。強すぎる。強い相手と組めば、意思決定の重心は必ずそちらへ傾く。それを協業と呼ぶのか、依存と呼ぶのかは、立場次第じゃないかと俺は思うが」
食卓に並ぶ色鮮やかな前菜が、今の冷え切った空気の中では無機質なオブジェのように見える。隆之はそれに箸を伸ばしながら、自分自身に言い聞かせるように低く言葉を続けた。
「依存と断じるのは早計です。氷室も高坂も販路が足りていないのは事実だ。だからこそ、副社長である奏汰に二週間の長期にわたって都内での販路開拓に取り組んでもらった。品質に自信はあっても、届ける力が足りない。そこを時東の力で補完できるなら、検討に値する」
「補完、か」
小さく呟いた奏汰の声音は地を這うように低く、感情すら乗っていないように感じられた。
「補完なら条件は対等であるべきだ」
奏汰の言葉を引き継ぐように、稔が静かに言葉を続ける。
「高坂としても、条件が曖昧なまま進むのは賛同しかねる。連携は賛成だが、奏汰と同じく俺も対等であることが前提だと思ってる」
「価格の最終決定権はどちらが持つ? ブランド名の商標権は? 売上の利益配分は明文化するのか」