【完】君を酔わせるまで離さない〜ワンナイトのはずが絶倫すぎる俺様副社長に本気で囲われています〜
庭園の青紅葉を揺らす風の音が、やけに虚しく響く。麗奈は叩きつけた扇子を握りしめたが、その手は隠しようもなく震えていた。彼女が縋り付いてきた正しさという名の鎧は、穂乃果の静かな拒絶によって粉々に砕け散っていた。
「今のお母様にあるのは、恨みと憤りだけ。己を証明したいという執念だけです。お酒を慈しむ人の目ではありません」
穂乃果の隣で静観していた稔が、静かに頷いた。
「……穂乃果の言う通りだ。高坂にいた頃の姉さんは、仕込みの温度の一度にまで口を出した。だが今は数字しか見ていない。目的がすり替わっている」
稔の冷静な声音に、麗奈の肩が小さく震えた。
姉弟の様子を見遣った隆之が、再び大きく息を吐きながら麗奈へと向き直る。
「麗奈さん。あなたの悔しさは、同じく家を継ぐものとして理解します。だが、復讐心を燃料にして事業は継続できない。氷室も時東も、誰かを見返すための道具ではないのです」
隆之は視線を逸らさず、麗奈をまっすぐに見据えた。
「今のお母様にあるのは、恨みと憤りだけ。己を証明したいという執念だけです。お酒を慈しむ人の目ではありません」
穂乃果の隣で静観していた稔が、静かに頷いた。
「……穂乃果の言う通りだ。高坂にいた頃の姉さんは、仕込みの温度の一度にまで口を出した。だが今は数字しか見ていない。目的がすり替わっている」
稔の冷静な声音に、麗奈の肩が小さく震えた。
姉弟の様子を見遣った隆之が、再び大きく息を吐きながら麗奈へと向き直る。
「麗奈さん。あなたの悔しさは、同じく家を継ぐものとして理解します。だが、復讐心を燃料にして事業は継続できない。氷室も時東も、誰かを見返すための道具ではないのです」
隆之は視線を逸らさず、麗奈をまっすぐに見据えた。