【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

──入社三年目

社会人生活も慣れてきた頃、また四月に新入社員が何人か入ってきた。
まだ学生っぽさが残っている。

その中に、やけに落ち着いた雰囲気の女がいた。
その年相応の華やかさがないというか。
凛とした雰囲気。

その新人はシステム部に所属になった。
システム部は人の入れ替わりが激しい。
新人なんてすぐに辞める。
こいつもそうだと思っていた。

──でも

三年後、こいつはまだ働いていた。

チームが違う、関わるプロジェクトも違う、仕事中の接点はほぼない。
でも、なぜだか気になった。

俺は彼女がいた。
大学時代から付き合っていた彼女だった。
仲はよかったが、だんだんと仕事で会う時間も減って別れた。

そのあと、職場の同僚に誘われて行った合コンで気が合う子がいて付き合ってみた。
でも、結婚をしたいというほどでもなかった。

フリーでいる時間も割りと楽しめてはいた。

──だけど

あの女が気になる。

『川崎七海』

割と理不尽な要求を言われても、文句も言わず、ただこなしている。
残業が多い。
表情も乏しい。
大丈夫か?
病んで来なくなるんじゃないか?

心配している自分もいた。

自販機の前に行くと──

いた。

虚ろな目でエナドリを一気飲みしていた。

その時目が合った。

「お疲れ様です」

川崎は小さな声で呟いた。

「お疲れ」

そう返すとすぐにデスクに戻ってしまった。
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