【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして
「じゃあ俺帰るわ」

私がぼーっとしてたらいつの間にか駅の近くにいた。

「あ、今日はありがとうございました」

私は頭を下げた。

「俺の言った事、あまり気にしないで。今まで通りで」

森川さんはそれを告げると改札を抜けていった。

気にするわ……。
心の中で呟いた。

そんな風に見られてたなんて思ってもみなかった。
そんな素振りもなかった。
このタイミングで言われても困るし。

ぐるぐると色々考えてるうちに、私は駅から反対方向へ。

無意識に私は向かっていた。

勇凛くんのバイト先へ──

そんなに遠くはない。

きっとこのモヤモヤした感情を、勇凛くんを見ればかき消せるはず。

そう思ってバイト先の居酒屋の近くに行くと、店の前に勇凛くんがいた。

ナイスタイミング!

私は声をかけようとした。



勇凛くんは店から出てきた女の子と話している。
仲が良さそうに。

勇凛くんの笑顔。

私以外の子に向けられている。

悲しい。

勇凛くんはそのままその子と歩いて行った。

勇凛くんのことを疑ったりなんかしてない。

ただ、話してる相手が他人で、若い女の子だったことが辛かった。

何一つ適うものがない。

私はまた駅に向かって歩き出した。

すると、スマホに通知が来た。

勇凛くんからだった。

『七海さん、バイト終わりました。今日は月が綺麗ですね』

メッセージに月を撮影した画像が添付されていた。

私も空を見上げたら、同じ月が浮かんでいる。

きっとまだ遠くない。

私はまた勇凛くんの行った方向へ走り出した。
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