【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして
勇凛くんの行った方向に走ると、勇凛くんが見えた。

勇凛くんは一人だった。

勇凛くんが振り返った。

「あ、七海さん!どうしてここに?」

驚いている。

「えっと……さっきまで会社の人と一緒にいて」

「そうだったんですね。タイミングが合ってよかったです。家まで送りましょうか?」

腕時計を見た。

もう23時……。

「ううん、大丈夫。家までまた来たら終電なくなっちゃうよ」

勇凛くんの顔を見れただけで嬉しかった。

「……俺の家来ますか?」

「え」

「ここからそんなに遠くないんで」

勇凛くんの家。
私が酔い潰れて運んでもらった時初めて行った場所。
ほとんど記憶がない。
まだ一緒にいたい。

──でも

「……明日仕事あるからまた今度にするよ」

胸が苦しくなった。

「七海さん」

顔を上げたら勇凛くんが目の前にいた。

「わ!」

「そんな顔するの反則ですよ」

「え、私なんか変な顔してた?」

勇凛くんが私の顔を覗き込む。

「寂しそうだなって」

恥ずかしい……。

「うん。まだ一緒にいたいって思っちゃったんだ……」

まだ自分にこんな乙女な心があっことに驚きだ。

「そんなこと言われたら、連れて帰りたくなりますよ」

勇凛くんの、穏やかで優しい表情。

今までの彼女にもこうだったのかな……。
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