前世王子アイドルグループ~僕たちは君の一番星になりたい☆。.:*・゜
 編集部屋に戻ると、カーテンが閉められ、部屋は暗くなっていた。僕たちはそたくんが並べてくれた椅子に座った。そして映像が再生された。

°・*:.。.☆

~♪

僕たちは並んで前に進んでいく
陽さえも僕たちについてきてくれる

僕たちアオハルを生きる
無敵な煌めく星たちさ~



……
……

青い空を仰~ぎな~がらっ♪




~♪♪♪

°・*:.。.☆

約四分くらいの映像は終わった。

ぽろぽろぽろぽろ……。

涙が止まらない。

「えっ? いつきん、どうしたの? 大丈夫?」
「大丈夫じゃないかもです。もう、感動しすぎてしまいました~」

 そたくんに聞かれると、なんとか僕は震える声で返事をした。

 本当に、本当によかった!
 震えが止まらないほどに良い。こんな身体の現象は初めてだ。

「いつきん、結構プリレボメンバーに馴染んでいたよね」
「うん、そたくんと同じこと思ってた!」

 余韻に浸っていると、僕の話題が。そうだった。今流れていた映像には、プリレボの中に僕も混ざっていたのだった。急に映像の中の自分を、しかもこんな大きな画面でプリレボのメンバーに見られていたことを意識し、恥ずかしくなってきた。

「いつきんはさ、メガネを外してヘアメイクをしたら、ビジュアル面で結構いいレベルまでいくよね」
「うんうん。あっ、ここのいつきんも良い! 陽の光に当たって輝いている姿がすごく可愛い!」

 いつの間にか再び映像が流れていて、映像を見ながらそたくんとみずっきくんが僕の分析をしている。

 僕の話題は、もうやめて~!

 と、そんなこんなで何とか無事に?編集と鑑賞会は終わった。夕方家まで送ってくれるマネージャーの河合さんがお城に到着すると、僕は寂しい気持ちになりながら帰り支度を始めた。

「今日は最高に充実した一日でした。みなさん、ありがとうございました」

 僕は玄関で深々お辞儀をした。
 ありがたい気持ちが溢れ出し、お辞儀をした頭を戻せなくなっていると「お辞儀長すぎだから、頭を上げて」と、そたくんが指示を出してくれた。

「もう帰っちゃうんだ? いつきんも今日から一緒に住めばいいのに」

 みずっきくん、僕も住みたいと思う。でも、もしも万が一、一緒に住むことになったら僕はどうなってしまうのだろうか。毎日幸せだと思うけれど、同時に毎日緊張して……本当にどうなるのだろう。

「いやいや、今日からとか……そんなに簡単に住めるわけじゃないし」

 そたくん、そうですよね。一緒に住む妄想を実はしたことがありますが、現実的には無理な話なのですよね。

 そたくんとみずっきくんが会話をしている姿を見つめていると、ふと視線を感じた。その視線の主は、れんくんだった。

 れんくんとも、もっと会話がしたいな――。

「れんくん、今日はダンスを教えてくれてありがとうございました」
「あぁ……」

 いつも通り、れんくんはクールな反応をした。
 もっともっと会話、いや交流がしたい!

「あの、もしご迷惑でなければ、またダンス教えてくれませんか? もっと上手くなりたいです」
「……うん、分かった」

 やった!!

 れんくんが前向きな返事をしてくれた!

 そたくんとみずっきくんもマネージャー河合さんと共に家まで送ってくれるらしく、先に玄関から出ていくと車に乗りこんだ。

 玄関に立っていたれんくんにお辞儀をすると、外の方向を向く。ドアが完全に閉まる時だった。

「俺もさっきの映像観ていて、葉月がプリレボに馴染んでいると思ったし……」
「えっ?」

 僕はれんくんの方に振り向き、閉まりかけたドアを急いで開けておさえた。

「そんなにダンスを頑張りたい気持ちがあるなら……まだ完全に受け入れられないけれど、考えてもいいかもな。葉月がプリレボに、入ること……」

 れんくんの言葉を聞くと、心臓が強くドクンとした。

 いや、でもダンスをやりたいのは、れんくんともっと交流をしたいからで、でも――。

「あ、ありがとうございます! 頑張ります!」

 もらえると少しも思っていなかった言葉に対して、なんて言葉を返せば良いのか全く思いつかなかった。だから、頭の中がわけ分からなくなってきたから、お礼と決意をアピールすると、早々ドアを閉めて、れんくんの視界から僕は消えた。

 今のは、返事になっていたのだろうか。
 きっとなっていた、はず。

 今、ふと考えてしまった。図々しいって、分かっている。だけど――。

 完成された映像、そして今のれんくんの言葉。

手の届かない存在でずっと憧れていたプリレボのメンバーと、もっと並びたい、並んでみたいって、思ってしまった。
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