前世王子アイドルグループ~僕たちは君の一番星になりたい☆。.:*・゜
*挑戦
後日、放送室。たくさん僕のアイディアがあった中で、まずは学校での撮影の詳細を話し合うことになった。
「いつきんプロデュース企画 ~学校のみんなと一緒に学校のプロモーション映像を制作してみよう!企画の会議を始めます!」
軽くイメージと計画をまとめた資料をプリレボメンバーに配った。見てもらうのさえドキドキする。
「イメージは、生徒たちがいるところを僕たちが通るとキラキラって感じで、良い雰囲気に変わっていくみたいな……そして最後は全員で踊り出す!という感じでよろしくお願いします」
ぎこちない言葉だったけれど、この言葉をスタートとして話し合いはスタートした。まずは各自で資料を読んでもらった。
「曲は爽やか系って書いてあるけれど、何を使うか決めたの?」
「誰でも自由に使って大丈夫なフリーの曲をネットで探して使おうかなぁと思っています」
そたくんの質問に僕はそう答えた。
「葉月、歌詞書いてみればいいじゃん」
「えっ、僕がですか?」
「うん。作曲や仕上げの方は俺がやる」
提案してくれたのは、予想外にれんくんだった。
「あぁ、たしかにいいかもね。練習っていうのもちょっと違うかもだけど、映像一分ぐらいで短いし、挑戦してみたら良いんじゃない?」
「いつきんの作った歌詞でれんくんが作曲かぁ、歌ってみたい!」
しーおんくんとみずっきくんも前向きな言葉で僕の背中を押してくれる。
「いや、でも……僕なんかが? 無理……」
「いつきんはもっと自信をもったら良いと思うよ。最近『僕の個性が分からない』とか、『プリレボで自分だけが色々足りてなくてどうしよう』とか、悩みを呟いていたよね?」
「えっ? そたくんの前で呟いていたかな……」
「うん、こないだ洗面所で、鏡に映る自分の姿を眺めながらはっきり呟いていたよ。真剣な表情でね」
そんな記憶はない。心の中の呟きが無意識に声に出ていたのかな。
「というかそたくんにひとりごとを聞かれていたなんて、恥ずかしいな……」
「いやいや恥ずかしがらないでさ、悩み事あったらどんどん言って? 僕たちはチームなんだから。ひとりで解決できないことをみんなで話し合えるのもグループの強みだよ」
「たしかに、そうかも……」
優しい!
プリレボって、表だけではなく裏でも。隅々まで本当に魅力溢れるグループだな。
「いつきんはきちんと自分の世界を持っているよ。だからいつきんの思いを歌詞に詰め込んだらきっと、いつきんの個性が世間にも伝わると思う」
僕がきちんと自分の世界を持っている――しーおんくんは僕のことをそう思ってくれていたんだ。うれしくて、チクッとしていた胸の辺りがふわっと包まれてキラキラしてくる感触がした。
「じゃあ、やってみようかな」
「うんうん、この世界、なんでも挑戦してみたら良いと思うよ。無理かも~って自信がなかったことが意外にも続けていたら得意なことになっていたりもするからね。例えば僕が演出を初めてした時のように」
「しーおんくん、あんなに演出上手なのに。苦手だったんだ?」
「そうだよ。苦手というか、挑戦するのが怖かった。頭の中で描いていることを表面に出して、たくさんの人に動いてもらって想像をリアルにする。失敗したらどうしようって、本当に怖かったなぁ~」
「しーおんくんにも怖かったことがあるんだ……」
今はこんなに僕から見て完璧だなと思える程に演出が上手なのに。
「僕はね、たくさんあるけれど、ダンスが一番苦手だったよ」
「やっぱりグループのリーダーになることが一番怖かったかなぁ。今もたまに向いてるのかなぁって考えちゃうことあるし」
みずっきくんとそたくんにもあるんだ……。
自然とみんなの視線がれんくんに。
「俺は、特にないかな」
「いや、あると思う。そうだなぁ、れんはグループが決まった時にグループでの活動は苦手だなぁとかおもってそう」
「そう、かも……でも今は全く思わない」
そたくんの言葉にれんくんはフッと微笑みながら答えた。
僕からしたら、いつも星のように輝いていてカッコよくて、完璧だとしか思えないプリレボのメンバー。だけどメンバーそれぞれ苦手だと思うことや怖いと思うことがある。
そしてみんなは挑戦して戦って、克服して時には得意なものになっていくんだ。
――僕ももっともっと頑張らなきゃ!
「企画も作詞も頑張ります!!」
少し自信がなくてか細かった自分の声が強くなり、輝いて聞こえた。
「頑張ろ! あとねいつきん、ひとりでやろうとしないで、みんなでやろうね!」
「……はい」
そたくんの言う通りだ。僕はみんなでやるって考えていなかった。あれもこれも自分がやるんだって思っていた。
人に、しかも尊敬するプリレボメンバーにお願いごとをするのは気が引ける。本当に僕がお願いしても大丈夫なのかな?って。だけど良い企画にしたいし、プリレボメンバーにも関わって良かった、楽しかったって気持ちになってもらいたいから全力で頑張る!
「じゃあ、まずは歌を作ることについてれんくん、色々教えてください。あと曲の仕上げまでよろしくお願いします」
「うん、分かった」
「しーおんくんは映像のカット割りや演出についてなどのアドバイスをお願いします」
「オッケーだよ!」
「みずっきくんは小道具係の中心になってほしいです」
「わっ、楽しそうだね! 作るの好きだから任せて!」
「そしてそたくんは、全体をまとめてほしいです」
「いいよ! あと、困ったことあれば常に教えて? 一緒に解決するよ!」
「はい、ありがとうございます」
信頼できて安心してパスができて、失敗しても助けてくれると信じられるメンバーが近くにいてくれるから、なんだか無敵な気がしてきた。
*
そして早速、僕は作詞を始めた。
「言葉考えるの難しい~。れんくんは曲作りで立ち止まったことはありますか?」
「ある。詰まって思いつかなくなったら俺は散歩したりする。あと、作詞は普段から目の前の全てを意識して生活していると、頭の中にぱっと文章が浮かび上がることがよくあるかも。あとは……」
「そうなのか……僕も常に意識してみます! そして今から散歩してきます!」
れんくんから貴重なアドバイスをたくさんもらってから散歩をしていると、頭の中に言葉が浮かびあがってきた。思いついたらすぐにメモをしていき、少しずつ作詞の作業が進んでいった。
だけど、やっぱり難しい。完成したかな?って思ったけれど、並べてみた言葉を見直してみるとなんだかぱっとしなかったから少し作詞作業は休憩。
他の作業も進んでいるから様子を見に行く。
生徒たちと一緒に小道具を作ってくれているみずっきくんを見つけた。
「いつきん、見て見て~! スイッチ押したら光る魔法のステッキ作ってみたよ!」
「みずっきくん、すごい! そしてステッキおしゃれで可愛い!」
ステッキを手に持つとしばらく笑顔で眺めていた。ピカピカピカ~と、それぞれのメンバーカラーで輝く魔法の白いステッキ。映像に映えそう。そして撮影が終わってもずっと並べて飾っていたいぐらい素敵な宝物。
撮影本番の日に向けて、どんな風に撮影するか、細かい部分も考えていく。協力してくれる生徒たちも増えていった。そしてプリレボのお陰で生徒全員が協力してくれることに!
雲ひとつない晴れた青空
真剣な表情でダンスの練習をする生徒たち
笑顔溢れながらそれぞれの作業をしている風景……
みんなの一生懸命な作業を見ていると、自分の中でこれだ!という歌の文章が次々に流れてきた。
れんくんに歌詞を伝えると「素直な言葉でいいね」と、言ってくれた。
その言葉たちのイメージに合わせてれんくんが曲を作ってくれた。少しずつ作品になっていくと、ワクワクしてくる。この歌を、僕がずっと憧れているプリレボが歌ってくれるんだ――。
この完成までの経過もプリレボファンにとってはずっと見守りたいと思える大切なこと。推しが頑張っている姿を見ると、僕も一日頑張ろう!って思えるし。
作業風景もネットで公開したいから、常に撮影をしながら作業は進められた。
僕の頭の中に描いたことをみんなが一緒に作ってくれるなんて、夢のよう。というか、プリレボの活動が全ていまだに夢のようだけど。
そうして計画はみんなのお陰で作業は進んでいく。そしてついに撮影本番の日がやってきた。
*
「いつきんプロデュース企画 ~学校のみんなと一緒に学校のプロモーション映像を制作してみよう!企画の会議を始めます!」
軽くイメージと計画をまとめた資料をプリレボメンバーに配った。見てもらうのさえドキドキする。
「イメージは、生徒たちがいるところを僕たちが通るとキラキラって感じで、良い雰囲気に変わっていくみたいな……そして最後は全員で踊り出す!という感じでよろしくお願いします」
ぎこちない言葉だったけれど、この言葉をスタートとして話し合いはスタートした。まずは各自で資料を読んでもらった。
「曲は爽やか系って書いてあるけれど、何を使うか決めたの?」
「誰でも自由に使って大丈夫なフリーの曲をネットで探して使おうかなぁと思っています」
そたくんの質問に僕はそう答えた。
「葉月、歌詞書いてみればいいじゃん」
「えっ、僕がですか?」
「うん。作曲や仕上げの方は俺がやる」
提案してくれたのは、予想外にれんくんだった。
「あぁ、たしかにいいかもね。練習っていうのもちょっと違うかもだけど、映像一分ぐらいで短いし、挑戦してみたら良いんじゃない?」
「いつきんの作った歌詞でれんくんが作曲かぁ、歌ってみたい!」
しーおんくんとみずっきくんも前向きな言葉で僕の背中を押してくれる。
「いや、でも……僕なんかが? 無理……」
「いつきんはもっと自信をもったら良いと思うよ。最近『僕の個性が分からない』とか、『プリレボで自分だけが色々足りてなくてどうしよう』とか、悩みを呟いていたよね?」
「えっ? そたくんの前で呟いていたかな……」
「うん、こないだ洗面所で、鏡に映る自分の姿を眺めながらはっきり呟いていたよ。真剣な表情でね」
そんな記憶はない。心の中の呟きが無意識に声に出ていたのかな。
「というかそたくんにひとりごとを聞かれていたなんて、恥ずかしいな……」
「いやいや恥ずかしがらないでさ、悩み事あったらどんどん言って? 僕たちはチームなんだから。ひとりで解決できないことをみんなで話し合えるのもグループの強みだよ」
「たしかに、そうかも……」
優しい!
プリレボって、表だけではなく裏でも。隅々まで本当に魅力溢れるグループだな。
「いつきんはきちんと自分の世界を持っているよ。だからいつきんの思いを歌詞に詰め込んだらきっと、いつきんの個性が世間にも伝わると思う」
僕がきちんと自分の世界を持っている――しーおんくんは僕のことをそう思ってくれていたんだ。うれしくて、チクッとしていた胸の辺りがふわっと包まれてキラキラしてくる感触がした。
「じゃあ、やってみようかな」
「うんうん、この世界、なんでも挑戦してみたら良いと思うよ。無理かも~って自信がなかったことが意外にも続けていたら得意なことになっていたりもするからね。例えば僕が演出を初めてした時のように」
「しーおんくん、あんなに演出上手なのに。苦手だったんだ?」
「そうだよ。苦手というか、挑戦するのが怖かった。頭の中で描いていることを表面に出して、たくさんの人に動いてもらって想像をリアルにする。失敗したらどうしようって、本当に怖かったなぁ~」
「しーおんくんにも怖かったことがあるんだ……」
今はこんなに僕から見て完璧だなと思える程に演出が上手なのに。
「僕はね、たくさんあるけれど、ダンスが一番苦手だったよ」
「やっぱりグループのリーダーになることが一番怖かったかなぁ。今もたまに向いてるのかなぁって考えちゃうことあるし」
みずっきくんとそたくんにもあるんだ……。
自然とみんなの視線がれんくんに。
「俺は、特にないかな」
「いや、あると思う。そうだなぁ、れんはグループが決まった時にグループでの活動は苦手だなぁとかおもってそう」
「そう、かも……でも今は全く思わない」
そたくんの言葉にれんくんはフッと微笑みながら答えた。
僕からしたら、いつも星のように輝いていてカッコよくて、完璧だとしか思えないプリレボのメンバー。だけどメンバーそれぞれ苦手だと思うことや怖いと思うことがある。
そしてみんなは挑戦して戦って、克服して時には得意なものになっていくんだ。
――僕ももっともっと頑張らなきゃ!
「企画も作詞も頑張ります!!」
少し自信がなくてか細かった自分の声が強くなり、輝いて聞こえた。
「頑張ろ! あとねいつきん、ひとりでやろうとしないで、みんなでやろうね!」
「……はい」
そたくんの言う通りだ。僕はみんなでやるって考えていなかった。あれもこれも自分がやるんだって思っていた。
人に、しかも尊敬するプリレボメンバーにお願いごとをするのは気が引ける。本当に僕がお願いしても大丈夫なのかな?って。だけど良い企画にしたいし、プリレボメンバーにも関わって良かった、楽しかったって気持ちになってもらいたいから全力で頑張る!
「じゃあ、まずは歌を作ることについてれんくん、色々教えてください。あと曲の仕上げまでよろしくお願いします」
「うん、分かった」
「しーおんくんは映像のカット割りや演出についてなどのアドバイスをお願いします」
「オッケーだよ!」
「みずっきくんは小道具係の中心になってほしいです」
「わっ、楽しそうだね! 作るの好きだから任せて!」
「そしてそたくんは、全体をまとめてほしいです」
「いいよ! あと、困ったことあれば常に教えて? 一緒に解決するよ!」
「はい、ありがとうございます」
信頼できて安心してパスができて、失敗しても助けてくれると信じられるメンバーが近くにいてくれるから、なんだか無敵な気がしてきた。
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そして早速、僕は作詞を始めた。
「言葉考えるの難しい~。れんくんは曲作りで立ち止まったことはありますか?」
「ある。詰まって思いつかなくなったら俺は散歩したりする。あと、作詞は普段から目の前の全てを意識して生活していると、頭の中にぱっと文章が浮かび上がることがよくあるかも。あとは……」
「そうなのか……僕も常に意識してみます! そして今から散歩してきます!」
れんくんから貴重なアドバイスをたくさんもらってから散歩をしていると、頭の中に言葉が浮かびあがってきた。思いついたらすぐにメモをしていき、少しずつ作詞の作業が進んでいった。
だけど、やっぱり難しい。完成したかな?って思ったけれど、並べてみた言葉を見直してみるとなんだかぱっとしなかったから少し作詞作業は休憩。
他の作業も進んでいるから様子を見に行く。
生徒たちと一緒に小道具を作ってくれているみずっきくんを見つけた。
「いつきん、見て見て~! スイッチ押したら光る魔法のステッキ作ってみたよ!」
「みずっきくん、すごい! そしてステッキおしゃれで可愛い!」
ステッキを手に持つとしばらく笑顔で眺めていた。ピカピカピカ~と、それぞれのメンバーカラーで輝く魔法の白いステッキ。映像に映えそう。そして撮影が終わってもずっと並べて飾っていたいぐらい素敵な宝物。
撮影本番の日に向けて、どんな風に撮影するか、細かい部分も考えていく。協力してくれる生徒たちも増えていった。そしてプリレボのお陰で生徒全員が協力してくれることに!
雲ひとつない晴れた青空
真剣な表情でダンスの練習をする生徒たち
笑顔溢れながらそれぞれの作業をしている風景……
みんなの一生懸命な作業を見ていると、自分の中でこれだ!という歌の文章が次々に流れてきた。
れんくんに歌詞を伝えると「素直な言葉でいいね」と、言ってくれた。
その言葉たちのイメージに合わせてれんくんが曲を作ってくれた。少しずつ作品になっていくと、ワクワクしてくる。この歌を、僕がずっと憧れているプリレボが歌ってくれるんだ――。
この完成までの経過もプリレボファンにとってはずっと見守りたいと思える大切なこと。推しが頑張っている姿を見ると、僕も一日頑張ろう!って思えるし。
作業風景もネットで公開したいから、常に撮影をしながら作業は進められた。
僕の頭の中に描いたことをみんなが一緒に作ってくれるなんて、夢のよう。というか、プリレボの活動が全ていまだに夢のようだけど。
そうして計画はみんなのお陰で作業は進んでいく。そしてついに撮影本番の日がやってきた。
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