前世王子アイドルグループ~僕たちは君の一番星になりたい☆。.:*・゜

*完成したドラマの公開

 前半が終わり、生配信の映像が映された。ソファや床で座っていたり、立ちながら観ていたり、それぞれがくつろぎながら映像を観ていた。

「ということで、前半の制作編が終了しました。なんかさ、みんな自由だったね。というか、お互いにライバルだったのにさ、一気に距離近づいたよね……」

 そたくんが微笑む。

「俺とれんなんて、ユニットの歌とダンス仕上げたんやで。れん、いつかライブで披露しような!」
「うん」

「ふたりの歌とダンス、カッコよかったよ! いいなぁ。ショウくん、僕たちも何かやろうよ!」
「みずっきとやりたいな!」
「えっ、えぇ~! 見たいです!」
「多分やるとしたら可愛い系になると思うから、いつきんも一緒にやろ?」
「はい! よろしくお願いします!」

「今観た企画の制作について話そうか!」

 僕たちは話が盛り上がった。次々と誰かが話し出すからトークは止まらない。

「そろそろ後半戦流した方が良い頃合いだ」

 タケルくんが盛り上がる会話を止め、冷静に言った。

「その前に! 緊急企画をやることに決定しました!」

 しーおんくんの突然の発表に「聞いてない」「何するの?」と僕含めメンバーたちが動揺する。

「視聴者のみなさんにとって、どのチームが良かったかの投票を開催します! しかも優勝したチームはなんと、しーおんとタケルが計画して道案内する、豪華ホテル宿泊付きの旅へご招待しちゃいます! しかも家族も一緒にオッケーだよ!」

「えっ、聞いてない! 聞いてたらもっと真面目にがんばったのに……」
「何、みずっきがんばらなかったの?」
「いえ、そたくん。が、がんばりました」

「でも、なんでご招待なんてプレゼントが?」
「それに関するサプライズは生配信のラストに!」

 えええ! 今、みんなの会話の流れが早すぎて全く会話に入っていけなかったけれど、気になる! しーおんくんたちが計画を立てて道案内してくれる旅なんて、絶対に最高なプランだよね! 

「サプライズ気になりすぎるね」
「本当だね」

 僕は横で一緒にソファに座っているヤマトくんとみずっきくんに呟いた。

「色々ガヤガヤしてきたけれど、それでは後半の映像を、どうぞ!」

♪✩.*˚

洞窟風の巨大迷路建物前に全員が揃う映像に切り替わった。

「それでは説明をさせていただきます。今から王子は、洞窟のとあるところで迷子になります。そして王子はいつの間にか閉じ込められてしまうのです。騎士は洞窟内の試練を乗り越えながら王子を助け、ふたりで協力しながら洞窟から脱出します」

台本を持ったしーおんくんが説明をする。ちなみに進行役のしーおんくんとタケルくんは宇宙のイメージをした王子と騎士の衣装を着ていた。 

まとめると、騎士が洞窟で王子を探し、見つけて一緒に脱出する。途中ゲームや試練を、時には協力し合ってクリアして、脱出するという内容だった。そして一番早くクリアしたチームには、プレゼントもあるらしい。

 一番目に挑戦するグループは、そたくんとアラシくんのリーダーペア。ふたりは洋風の王子と騎士の衣装を着ている。喧嘩をしながらも騎士のアラシくんが王子のそたくんをきちんと守り、順調にゲームをクリアしていき、なかなか早いタイムでクリアした。

 二番目にれんくんとハヤトくんが挑戦した。ふたりは中華風の王子と騎士の衣装。基本はずっとトークが止まらないハヤトくんがれんくんを引っ張っていく感じで、途中たまにれんくんが引っ張る感じ。持ち前の運動神経で、運動能力が必要なところは基本騎士がひとりでクリアする感じなのに王子のれんくんも参戦し、すごい早さでクリアしていた。

 三番目はみずっきくんとショウくん。人魚風の王子と騎士の衣装で合わせている。ほのぼのしながらも王子を守る時のショウくんはカッコよく、全体的に順調に進み、でも時には休憩しながらだったから時間はかかったけれど、脱出するまでとても楽しそうだった。

 そしてラストは僕とヤマトくんペア。僕は和風王子だからヤマトくんも念願の和風騎士衣装を着てくれている。

 ヤマト騎士が「いつきん王子はどこにいったんだろう。風景動画真剣に撮っていたら気づかないうちに迷子になっていた感じなのか? 無事だと良いけれど……」とブツブツ呟きながら洞窟内を歩いている。

 途中、岩の上に座っている鬼がいたので「和風の王子を見かけませんでしたか?」とヤマト騎士は鬼に話しかけてみた。

「知らんなぁ~どんな王子だ? ここに似顔絵描いてみろ!」と、画用紙と色鉛筆を渡された。

 ヤマト騎士はスラスラと描いていったが「首の長さがキリンだな?」「なんか顔が違うなぁ……」と言いながらも完成させる。

「見たことない顔だな、もう一度描いてみろ!」と言われ描き直す。

「うん! 今度は目をキラキラさせたし、ふわふわな雰囲気も取り入れた。結構、上手いかも?」と自信ありげな様子のヤマト騎士。

「この顔、知ってるぞ! このドアの向こうに行ったぞ!」

 鍵を開けてくれたトビラをヤマト騎士は進んでいく。すると毒設定の泥の上にうんていがあり、余裕でうんていにぶら下がり進んでいく。そして台の上にこれから使うから膨らませてと書いてあるメモと共に、ピンク色の風船が置いてあった。持つと、目の前にあるドアを開ける。ドアを開けるといつきん王子がガラスの中にいた。

 ふたりは目が合うと微笑み、手を振り合う。

「これから、ふたりにはジェスチャーゲームをしてもらう。答えは王子が知っている。騎士よ、王子が何を表現しているか、答えなさい」と、天井から声が聞こえる。

「うわぁ、ジェスチャーゲーム、苦手かも!」
「いつきん王子なら大丈夫です。俺も当てるのに集中するので。早くここから脱出しましょう!」
「うん、ヤマト騎士、頑張ろうね!」

 そして王子にだけ答えの紙が渡される。

「山? 富士山? 分からなさすぎる……象……?」

 ヤマト騎士が次々答えるも正解がなかなか出てこない。

「分かった、かも? ラクダ?」
「正解!!」

 正解すると、ガラスの扉が開いた。ガラスのドアからいつきん王子が出てくると、新しい扉が現れる。扉を開けると台の上にヘルメットとノートが置いてある。書いてある指示にしたがい騎士が持っていたピンク色の風船を膨らますと、それをヘルメットに付けて、王子の頭にかぶせた。

「これが王子の心臓か……お守りせねば。あと、次の扉まで『王子と騎士、ふたりの思い出を語りながら歩け』と書いてあります。あと、今から無言が十秒以上続くと、無言が続いた時間の二倍の数字がクリアしたタイムに加算されるらしいです……」

「何か語らないと……そうだ、ヤマト騎士、あれ覚えてる?」
「えっ、あれとはどの記憶でしょうか?」
「うんと……あの、小さい時に僕がこっそりひとりで花を摘みに行って、迷子になった時の話」
「……もちろん覚えています。その時の年齢はいくつでしたっけ?」
「五歳の時だっけ?」
「そうでした! あの時は必死に探しましたよ――」

 思いついた話をいつきん王子がすると、ヤマト騎士が合わせて話を続けた。

 次の扉を開けると、指定された筋トレの数をこなさないと出られない部屋が現れる。

 いつきん王子に剣を預け、ヤマト騎士が挑戦する。ラスト辺りにいつきんも腹筋を数回やってみたらカウントされ、王子もやっても良かったことに気がつく。

「わぁ、もっと早く気がつけば良かった……」
「大丈夫です。ひとりでも余裕でしたから!」

 さらに進むと、青い風船をヘルメットにつけた鬼ひとりと、剣を持った鬼が三人現れた。

「どちらか、主の心臓である風船が先に割れた方が負けだ! 勝負だ!」

 ヤマト騎士も剣を持つと勝負を始めた。

「ヤマト騎士、僕は、どうすれば良い?」

「とりあえず離れていてください。すぐに勝負をつけますから」

 言葉の通りに僕を守りながらも、シュパパパーンと素早い動きで相手の風船を割るヤマト騎士。

「カッコいい~……」

 見とれていると「早く次に進みますよ!」といつきん王子の手をヤマト騎士が引っ張った。

 次々おとずれる試練を乗り越えていくと、出口が見えてきた。だけど出口の扉は開かない。

「今から、一から十までふたり同時に数字を言え! 同じ数字を言えば、それが魔法となり、最後の扉は開くだろう」

「いっせ~の~で、三!」

 ふたりは同時に数字を言っていく。なかなか合わない。

「「いっせ~の~で十!」」
 
 合った瞬間、扉は開かれた。洞窟の外に出ると眩しい光がふたりを照らす。

「ヤマト騎士、あの時も今も、助けてくれて本当にありがとう」
「いつきん王子をお守りするのが俺の役目ですから。これからもずっと、お守りします!」

『そうして王子が迷子になったことにより、ふたりの絆はさらに深まったのであった。』

『END』

♪✩.*˚

 映像は、全員揃っている洞窟風巨大迷路前の映像に変わる。

「みんな、お疲れ様! 今タケルが結果をまとめているから待っていてね!」
「結果でたぞ!」

「それでは、優勝チームを発表します! 優勝チームは、圧倒的な差でれんハヤトチームです!! おふたりには筋トレルームや読み放題の漫画も多数ある、くつろげる温泉の一年間自由に出入りできる券をプレゼントいたします!」

「れん、やったな! 早速あとで一緒にくつろぎに行こうや!」
「うん」

「ということで、プリレボ、ルミナイ初コラボ企画、『かつてライバルだったプリレボの王子とルミナイの騎士が主従関係となり、ショートドラマを制作する奇跡の物語』でした! この企画をきっかけに、これからもまたコラボ企画を続ける予定なので、チャンネルをお気に入り登録してくださったら嬉しいです! 最後まで見てくれて、ありがとう~!」

♪✩.*˚

『最後まで視聴、ありがとうございました。少しでも良かったなと思ったら、Goodボタン、お気に入り登録をお願いします』という文章とメンバーのミニキャライラストが流れ、動画は終わった。

♪✩.*˚

 
 再び生配信している部屋が映される。

「同じ流れだったのに、各チーム、なんか全然違うストーリーみたいだったね」
「ね、喧嘩したりほのぼのしたり……面白かったぁ~」

 しーおんくんとみずっきくんが話し始めると、他のメンバーも会話に加わる。

僕は集団の会話に加わるのが得意ではないけど、ひと言だけ言いたくて、会話が静まるタイミングを待っていた。そしてその時が、来た!

「 第二回も、この企画がやりたいです。企画だけでなく、ライブも一緒に……」

 誰か僕の言葉に反応してくれるかなぁ。ドキドキドキ。

「いいな、それ……」

 反応してくれたのは意外にも、僕と同じように集団の会話に混ざるのが苦手なタイプのれんくんだった。

「やりたい! ライブコラボ計画、早めに計画立てようや!」
 
 この話題で盛り上がってくれてた。本当に嬉しい。それからは僕は何も発言せずに、みんなの会話をニコニコしながら聞いていた。

「この生配信も終わりの時間となりましたが、中盤でもお伝えした通り、どのチームのドラマが良かったかの、人気投票を行います!!投票の方法は――」

「で、急遽、旅行プレゼントが決まったのには、理由があります。なんと、プリレボとルミナイのコラボ動画配信企画に、旅行会社様がスポンサーについてくれることになりました!」

 それぞれ、わぁー!と、メンバーたちが反応をした。

「そして旅行会社様と旅行のコラボ企画をやりたいって話になりまして、しーおん、タケルのふたりがメンバーに楽しんでもらう旅行を会社様と一緒に考える企画をやることになりました! そして旅行の様子は、新しく開設されたこのアカウントで公開予定です!」

 視聴者たちのコメントは盛り上がっていたけれど、さらに盛り上がる。僕も一緒に盛り上がっていた。

――どのチームが優勝しても嬉しいな。どのチームも、とても魅力溢れているから。

 どんどん前に進んでいく。
 もう最近は、ワクワクしかない。
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