だからアナタに殺されたい。
「探したのよ?ローゼル。アナタ、どこを探してもいないから」
「騎士団倉庫の片付けをしていましたから」
「あ、そ、そう…」
何でもないことのように淡々と告げられたローゼルの言葉に胸が痛くなる。
騎士団倉庫の片付けなど、第一騎士団のエリート騎士がする仕事ではない。
使用人や第三、第四騎士団の仕事だ。
…またいつもの嫌がらせなのだろう。
どこか暗くなった私に、ローゼルは変わらず続けた。
「それで?俺になんの用ですか?エレノア」
「そ、そうね!そう!私、アナタに用があったの!」
全く興味なさそうに冷たく私を見つめるローゼルに、私は明るい声音でパンッと手を叩く。
それからずいっと肩にかけていた大きな袋をローゼルに差し出した。
「これは?」
ローゼルが怪訝そうに瞳を細め、袋をとりあえず受け取る。
「これはね、比較的新しい騎士服と、今日作ったパンよ!明日からこの騎士服を着てね!パンはまだまだたくさんあるからお腹いっぱい食べて!」
袋に疑問の視線を向けるローゼルに、私はにっこりと笑った。
第一騎士団の騎士たちに私は何も言えない。
けれど、こうしてローゼルを陰ながら手助けすることならできる。