クズにはクズのやり方で
第七話「…三角関係?」

 本間くんは職場で“出来る後輩”として、会社では申し分なかった。

 上司に言われれば、すぐ報告書を作成するし、報連相は守っている。

 誰も本間くんに対して、悪いことは誰一人言わない。

 本間くんは私の恋愛のことは職場に言っていないみたいだ。

 噂にもならないし、聞かれることもなかった。

 いつもの日常である。

 前と違うのは、誰かが私の恋愛を知っていることだ。

 マスターや京極さんが知っているのはいい。

 職場の人に知られたのは、仕事以外のことを知られて、仕事の私でいられなくなるのが怖かった。

「プゥハ……明日か」

 私は缶ビールを片手に持ち、一気に飲み干した。

 明日が京極さん・私・本間くんの三人で食事をする日になった。

 三人で話してから、一か月が経った。

 京極さんから連絡もないし、本間くんからも何も言って来ないから自然消滅したものだと思っていた。

 だけど、京極さんは忘れてはいなかった。
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