クズにはクズのやり方で
 
 電話をゆっくりコトッと置き、ため息を吐き、上半身を起こす。

「鳳凰、どうだった?」

 電話が終わったのを見計らい、吉岡さんは私に駆け寄った。

「なんとか、先方に了解得ました。佐藤の方が、先方が嫌いなワードを言ったみたいで…」

 私は立ち上がり、吉岡さんの方へ身体を向けて伝えた。

「なにその、ワードって」

「……出来ない」

「出来ない?」

 吉岡さんは首を傾げて、なんでそのワードが引っかかるのか考え込んでいた。

「…はい。先方は出来ないってことを口に出されるのが嫌みたいで。言葉は現実になるという社長の理念だそうで…」

 私は申し訳なさそうに両手をお腹へ組み、吉岡さんの表情を見つめる。

「そっか……社長の理念ねぇ。気難しい所だね。真面目にきちんと守っている社員さんが素晴らしいよ。まず、一件落着。ありがとうね、鳳凰」

 私の肩をリズムよく叩き、出勤した職員におはようとあいさつをしていた。

「…よかった、なんとか無事に解決した。時間かかると思ってたけど、案外あっさりしてたな…」

 クレーム対応を終えて、鞄からアイマスクを取り、目元を休めた。

「……っ鳳凰さん……鳳凰さん、鳳凰さん!」

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