「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
そんな感じに環奈は悩んでいたが。
滝本も悩んでいた。
「お疲れです~」
と社食で自分のテーブルの側を通った平井に言う。
「平井、ここに座れ」
――説教っ?
という顔を平井はしたが、そうではなかった。
環奈とはデスクが近いから、彼女をよく見ているであろう平井にちょっと相談してみたかったのだ。
一緒に占いに行った仲だし。
一緒に呑みに行く相手はたくさんいるが。
一緒に占いに行った相手なんて、他にいない。
「平井。
うちの商品は素晴らしいですって、あんまりガンガン押してっても引かれるじゃないか」
「あ、はい、そうっすねー」
素直に前に座ってくれた平井が、味噌汁をすすりながら、相槌を打つ。
「まあ、俺は別に素晴らしくはないんだが」
と滝本が溜息をつくと、平井は定食の甘いコロッケを食べたあとで顔を上げ、
「今のもしや、恋愛の話ですかっ?」
と驚く。