婚活嫌いのパイロットは約束妻に恋をする
私の事情に彼を巻き込んで迷惑をかけた自覚はある。

彼に私が釣り合っていなくて周囲に納得されていないのも、そのために庇われて守られてばかりなのも事実だ。
 
負担が段々重荷になってしまったのかもしれない。

このままずっとこの状態が続くのが憂うつになった可能性もある。

でも彼が真っ直ぐに向けてくれる気持ちを疑うつもりはない。

私たちは元々お互いの都合を優先するために結婚を決めた。

いくら幼い頃からの知り合いだったとはいえ、離れていた時間の方が長く、わかり合えていたわけじゃない。

勢いで急いで結婚したと言われても仕方ないくらいに。
 
それでも私は、彼との結婚を後悔していない。
 

だけど、琉生さんは?
 

急ぎすぎたと思っているのかもしれない。

現状に疲れた可能性だってある。
 
パイロットの仕事は言わずもがな人の命を預かる激務だ。

私生活ではゆっくり体を休め、心を落ち着かせたいはずなのに、私の今の状態では難しい。

むしろ引っかき回してばかりだ。

……離れたいと願っているのだろうか。

勝手に決めつけてはいけないと思うのに、ひとりでいるせいか不安に心が押し流され、悪い考えにとらわれそうになる。

目をきつく閉じて暗い気持ちを振り払う。
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