婚活嫌いのパイロットは約束妻に恋をする
「どこが痛みますか?」
 

緊迫した声でチーフ客室乗務員がキャプテンに問いかけ、呼吸なども確認する。

キャプテンは苦しんではいるが、意識はあり、問いかけにはなんらかの反応を示していた。
 
ずっとお腹の辺りを押さえているが、医療従事者でない俺には判断ができない。

あいにく、機内には医療従事者の方もいらっしゃらないと客室乗務員から報告も受けた。

俺は機内から医療アドバイスが受けられるサービスを使い、無線で交信し大野キャプテンの容体を説明した。

大野キャプテンの様子をチーフ客室乗務員から伝えてもらいつつ質問に答え、アドバイスを受ける。


「右、下腹部、が……」
 

大野キャプテンの苦しそうな切れ切れの声を耳が拾う。
 
食事は俺も含めパイロットは違ったものを時間差をつけて口にしている。

乗客やほかの客室乗務員たちにも異常は今のところ出ていない。

急ぎ、その旨も伝える。
 
筧キャプテンが大野キャプテンに代わり、PFを担当し「I Have Control」を発声する。

すぐに俺も「You Have Control」を返し、役割を明確にする。

それから筧キャプテンが航空交通管制に急病人の報告をする。

俺はその間もずっと通常どおりの業務を行いつつ、医療アドバイスのサービス機関と通信を行っていた。
 
さらに筧キャプテンは羽田のオペレーションセンターに大野キャプテンの急病を伝える。
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