婚活嫌いのパイロットは約束妻に恋をする
耳に届いた予想外の告白に息をのんだ。

真剣な声と情熱的な言葉に目頭が熱くなる。

嬉しさとこみ上げる想いに胸がいっぱいになってきちんと返事ができず、膝立ちになって私を抱き寄せてくれる彼にしがみつくしかできなかった。

あふれ出るこの想いを愛している以外の言葉でどう表現したら全部伝わるだろう。
 
琉生さんの温もりも香りも、なにもかもが愛しくて涙が止まらなくなる。


「蕗のありのままの心を見せてくれて、話してくれてありがとう」


「うまく言えなくてごめんなさい」


もしかしたら聡い彼は、私の心の葛藤に少なからず気づいていたのかもしれない。

強引に聞き出そうとせずに、寄り添って待っていてくれた優しさに胸が詰まった。


「愛している、蕗」
 

甘い告白とともに琉生さんは腕を緩めて、涙の残る私の頬に口づけた。

そのまま私の唇に自身のものを重ねてくる。

温かく柔らかな感触を受け止めて、今度はゆっくり目を閉じた。







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