婚活嫌いのパイロットは約束妻に恋をする
「検査薬を試して陽性だったから、昨日のお休みに産婦人科を受診したの」
 

少し前から体のだるさと吐き気を度々感じていた。

最近はなにかと忙しかったし環境の変化も大きかったため、少し落ち着いたせいで気が緩んで疲れが出たのかと思っていた。

けれどいっこうにおさまらない状態を訝しんでいた際、ふとなにげなく生理の周期を確認した。

そこで初めて遅れている事実に気づき、妊娠の可能性に思い至った。
 
まずは検査薬をと考え、試してみたのが一昨日だった。

陽性の反応に驚き、感動してしばらく結果を見つめた後、嬉しさで泣いてしまったのは内緒だ。
 
はやる気持ちを必死で抑え、病院を探していたところ、幸いにも自宅近くの中核病院の産婦人科が見つかったので予約をして、昨日の夕方、診察を受けた。

医師から妊娠を告げられたときの喜びはきっと一生忘れられない。

順を追って琉生さんに説明し終えたところ、再び優しく胸の中に閉じ込められた。


「……本当にありがとう。俺は蕗に幸せをたくさんもらってばかりだ」
 

心なしか彼の声が震えている気がした。


「私もいつも琉生さんからたくさん幸せをもらってる。これからも、一緒にいてね」


「それは俺のセリフだ。蕗と赤ちゃんをこれから先ずっと一番近くで守らせてほしい」


片腕をほどいた彼が私の左手薬指をそっと持ち上げて、輝く指輪に口づける。


「改めて、誓わせてほしい。ずっと愛している」


「私も、あなたを愛してる」
 

大好きな人の笑顔が幸せな涙で滲む。


「――結婚式は三人で挙げよう」
 

甘い未来の約束をつぶやき、愛しい人が贈ってくれたキスをそっと受け止める。


「約束、ね」
 

誓いのキスはほんの少しだけ涙の味がした。



                                                     END






最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
たくさんのいいねを贈ってくださり、ありがとうございます!
今回の作品は、私にとって初めての航空業界のヒーロー・ヒロインとなります。知識不足で、色々調べながら書き上げた作品ですので、未熟かつ稚拙、読みにくい部分も多々あると思います……。
気をつけて描いたつもりですが、間違っている部分がございましたら申し訳ございません、ご指摘いただけましたら幸いです……。
皆様に少しでも楽しく読んでいただけましたら、嬉しいです(>_<)
                                                      円山ひより






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