純情*ライアー
◆◇◆
翌日の昼休み。
莉央とお弁当タイムを楽しんでいると、ひっきりなしにスマホが鳴る。
「今日もうるさぁい、優里のスマホ!」
「ごめんごめん、バイブ切るね。」
卵焼きを箸で掴みながら、片手でスマホを操作する。
その間も画面上に“今日はどう?”みたいなメッセージが、何件も浮かんで消える。
「あっそうだ!昨日のテレビ観た!?
神田くんがエグいくらいカッコよくて――……」
「ちゃんと観たよ。莉央の最近の推しだっけ?
天然発言、面白くて笑っちゃった。」
「わかる!?神田くんのそこが可愛いのよ〜!」
きゃっきゃとはしゃぐ莉央を眺めながら、半分に切った卵焼きを小さい一口で食べる。
止まらない推しトークを微笑ましく聞いていると、急に教室内が黄色い声で賑わった。
「葉澄さん。」
艶っぽいのに軽い声音が紡ぐ、私の名前に反応して振り返る。
見ればそこに、声通りの色気をまき散らして微笑む葛城くんがいた。
「あー。いたいた。
ね、今からちょっと時間くれない?」
睫毛に覆われた涼しい目が私の姿を捉える。
大人っぽい顔立ちでふわりと微笑んで、周りにいた女子達を悩殺した。
(なるほど、これはモテるわけだ。)
と、私も納得。