純情*ライアー


「……ありがとう。」

「いーえ。これ、職員室に運べばいいの?」


鮮やかすぎる手腕に脱帽。


スタスタと歩いて行こうとするから、小走りでそれを追いかけた。



「暑いねー、もう夏来たってカンジ。」

「ね。私なんて部屋のエアコン付けっぱなしだよ。」

「ふは、俺も。」



――ちゃんと喋るのはこれが初めて。

つまりこの人、コミュ力が高い。



お互いに話題を提供し合いながら、和気藹々と廊下を歩く。

その途切れ目で、桐谷くんがこっちを向いた。

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