身代わり花嫁は無愛想なエリート外科医(超甘党)からの極甘溺愛を刻まれる
 廊下は左右に茶色い引き戸があり、それぞれトイレと浴室がある。トイレはよく街中にある多目的トイレの一角と見まがう位のもので、脱衣所兼浴室も私が知るスペースの3倍は広い。

「あ、バスタブにジャグジーがあるんですね。すごい……ボタンがいくつもある」
「疲れている時はいいぞ。アイスを食べながらゆったりするんだ」

 甘党らしいお風呂の入り方に、満たされたばかりのお腹が空腹を訴えそうになる。

「ちなみにアイスはいつもどんなの食べていらっしゃるんです?」
「特にこだわりはないな。コンビニの新作とか」

 こないだこれ食べたけど美味かったんだ。と言いながら黒い最新のスマホをぽっぽっとタップし、見せてくれたのは某大手のコンビニが販売している、生チョコブラウニーのクッキーサンドアイスだった。

「うわっ美味しいやつですよねこれ!」

 これは私も一度食べた事がある。チョコレートの味わいは甘さと苦さが丁度良い塩梅で織り交ざっていて、とにかく濃厚。しっとりとした食感も食べやすくて癖になる。中にはチョコレートのソースも入っていてチョコレート好きにはたまらないアイスだ。
 
「詩織も食べた事あるのか?」
「はい。こないだ食べました。ものすごく美味しかったです」
「ガトーショコラとかブラウニーとかもいいよな。苦さと甘さが均衡を保っているのが本当に良い。北海道産の牛乳を使ったホイップクリームにも溺れたいし、バニラシードが入った濃厚なカスタードクリームも1リットルぐらい摂取したい……」

 急に饒舌になった佑太さんにえ? と口がふさがらなくなる位に驚きが止まらない。しかもカスタードクリームを1リットル摂取したいなんてセリフからして、私が思っていたよりも100億倍甘党なのでは?

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