身代わり花嫁は無愛想なエリート外科医(超甘党)からの極甘溺愛を刻まれる
流がズボンの左ポケットに手を突っ込んだかと思うと、佑太さんは一歩前へと踏み出し、彼の両腕を掴むとそのまま流の身体を持ち上げてはぶん投げた。あの流が軽々と宙に浮かんだのも、佑太さんの一連のアクションもどれもこれも現実離れしていて、思わず目を疑う。
投げ出された流は背中と腰を強打したのか、いてて……と顔をゆがめて横たわるだけだ。そして彼のズボンの左ポケットからは小さな折り畳み式のナイフが転がり落ちていた。
嘘でしょ。なんて事を。
「危なかった」
佑太さんは転がるナイフを右足で蹴り飛ばすと、からからと店内の端っこまですっ飛んでいった。
「警察を呼ぶ」
「っくそ……! ちくしょう……! 詩織ちゃん、なんでだよぉ……」
「なんでも何も、あなたはこの店に対して良い事をしてきましたか? 何もしてないでしょう? お金をせびるばっかりで」
「うるせえ……俺は、俺は……! 俺が、1番なんだよぉ……!」
横たわったまま涙を流す流には何の同情も湧いてこない。
思えばこの男は小学生時代からわがままで屑な男だった。お金持ちの息子なだけあっていつも威張ってばかり。両親にはうまく取り繕っているのか、もめ事が起きたらいつもお金で解決しようとしたりしていた。私に対しても途中からダル絡みしてくるようになって、気がつけば大学まで一緒。
――詩織ちゃんはよわよわだから完璧な俺がいないと何にもできないもんね?
コイツなんかに言いくるめられたくない。そんな気持ちを今まで持ち続けてきたけど、これでようやく解放される。
投げ出された流は背中と腰を強打したのか、いてて……と顔をゆがめて横たわるだけだ。そして彼のズボンの左ポケットからは小さな折り畳み式のナイフが転がり落ちていた。
嘘でしょ。なんて事を。
「危なかった」
佑太さんは転がるナイフを右足で蹴り飛ばすと、からからと店内の端っこまですっ飛んでいった。
「警察を呼ぶ」
「っくそ……! ちくしょう……! 詩織ちゃん、なんでだよぉ……」
「なんでも何も、あなたはこの店に対して良い事をしてきましたか? 何もしてないでしょう? お金をせびるばっかりで」
「うるせえ……俺は、俺は……! 俺が、1番なんだよぉ……!」
横たわったまま涙を流す流には何の同情も湧いてこない。
思えばこの男は小学生時代からわがままで屑な男だった。お金持ちの息子なだけあっていつも威張ってばかり。両親にはうまく取り繕っているのか、もめ事が起きたらいつもお金で解決しようとしたりしていた。私に対しても途中からダル絡みしてくるようになって、気がつけば大学まで一緒。
――詩織ちゃんはよわよわだから完璧な俺がいないと何にもできないもんね?
コイツなんかに言いくるめられたくない。そんな気持ちを今まで持ち続けてきたけど、これでようやく解放される。