ながされて、絆されて、ふりむいて
「そういえば、さっき聞きそびれたけど、どこがそんなに好きなの?」
「え、」
「好きな、幼なじみのこと」
「……あ、すきなひとの、ことですね」
……一瞬、凪のことかと思った。そんなはずない。わたしのすきなひとはただの幼なじみとしか伝えていないのだから、凪と結びつくはずがなかった。焦りすぎだよ、わたし。
「それ以外、ないでしょ?」
「……はい、もちろん」
足は止まらず、夜道を二人で歩き続ける。月のひかりと街灯に照らされるだけの心許ない道を、ひとりで歩かせてもらえることはなかった。
……すきなところ、か。改めて考えると難しい。すきに理由って、必要?
強いて言うならば。世界を広げてくれるのは、いつも彼だった。