ながされて、絆されて、ふりむいて
昨日の夜、どちらともなくくちびるを重ねた。ふたりで服を脱がせあってから何か着ることもなく。もう数え切れないほど、凪と身体を重ねた。何度も夜をこえて、朝を迎えた。
昨日の夜、終わってからそのままの、なにも身につけていない状態で肌を重ねて、くちびるを合わせる。
自分の上にわたしを乗っけるように腰を支えて、それはだんだんとふかく、あまく、溶けてゆく。思考はどこかへひらり。自分からはしてくれないのに、お願いしたらとことんあまやかしてくれる。からんで、吐息のような声が逃げてゆく。
「な、ぎ」
「うん?」
深く重なる合間、きみの名前を呼べば、視線と視線がが糸のようにつながった。
「付き合わないけど、……わたしは凪のこと、すきだから」
「はは、さっきと言ってること矛盾してる。誰にでも言ってるだろ」
「……当たり前でしょう?何番めかわからないけど、すきだよ、凪」
「うん、俺もすき」
──うそをつかないで、なんて、うそをつき続けているわたしが言えることではない。わたしは「すき」というほんものを、うそだと偽って伝えるだけでせいいっぱい。
凪の「すき」は、わたしと種類がちがう。
きみと会う夜、起きる朝。
となりにいてくれなかったらどうしようってこわくて、うまく眠れない。きみを誘うのはいつだってわたしのほうだから。