悪女と罵られたので退場させていただきます!
7.憂鬱
【噂を利用せよ】
帝国大使から渡された父からの返答は無情なものでした。
噂を利用するとは何ですか?
放置せよと言われた方が遥かに分かり易いというもの。なぜ利用することになるのですか。
【お前の評判が落ちればそれだけボルゴーヌ王国の評価がさがる。今、帝国内でお前は注目されている。周辺国はボルゴーヌ王国の態度に不信感を抱いている。数年前の王妃殿下の件もあるからだ。王妃の件が風化している中で、帝国貴族の令嬢がボルゴーヌ王国の貴族と婚約し、蔑ろにされているとなれば、嫌でも王妃殿下の一件が思い起こされるだろう。注目が集まるのは必然だ。その隙に付け込むのだ】
父の言うことは理解できます。
けれど、それはあまりにも乱暴すぎますわ。
第一、私がボルゴーヌ王国に滞在している理由はフリッド様と婚約しているからです。その婚約を背景に王国の大学に留学している身です。
私が帝国のスパイだと疑われたらどうするおつもりなのかしら?
【帝国貴族とはいえ我々は新参者。疑惑を持たれることは少ないだろう。こちらとしてもお前の安全は全力で守るので安心するといい。そのために大使館に滞在させているのだからな。ブランシュ、王家やオーファンラスター公爵家が何と言ってこようとも彼らの城に住まう事はないように。何があるか分からん。それと――――】
手紙はまだ続いていました。
読み進めていくうちに、とんでもないことに巻き込まれてしまっていることに気が付きました。
私、こんな面倒なことに関わるつもりはなかったのに!
「……とんでもないことになりましたわ」
父の手紙を読み終え、思わず天井を仰ぎ見てしまいました。
「お嬢様、どうされましたか?」
私の声に驚いたのか、部屋に待機していたメイドが慌てて駆けつけて来ました。
「少し疲れたみたい。紅茶を……いいえ、今日はハーブティーを入れてちょうだい」
手紙を読んでドッと疲れたのは本当です。ハーブティーを飲んで気持ちを落ち着けたいわ。
ハーブティーには心を落ち着かせる効果もあると言いますし。
メイドが退出すると、私はソファに座り込み、クッションを胸に抱き込みます。
お父様、こうなると分っていて私とフリッド様の縁組をまとめましたね。
まったく。
私を何だと思っているのでしょう。
凄腕の外交官でもなければプロのスパイでもなく、ただの公爵令嬢だというのに。
小娘一人で対応できると、お父様は本気で思っているのでしょうか!?
お父様、それは過剰評価というものです。
特別なスキルもなく、知識も経験も少ない小娘に過度な期待はしないでほしいものです。
本当に眩暈がしそうな展開です。
誰の意図でしょう?
皇帝陛下?
宰相?
それとも他の誰かかしら? どちらにしても迷惑極まりない話ですわ。
「お嬢様、ハーブティが入りました」
「ありがとう」
私はティーカップを手にして、その香りを楽しみます。
ハーブティーの豊かな香りが不安や困惑を和らげてくれるように感じました。
「良い香りね。心が安らぐわ」
「それは良かったです」
私はハーブティを一口。
「美味しい……」
ハーブティーの爽やかな香りが口の中に広がります。
おかげで少しだけ落ち着くことができました。
やっぱりハーブティーにして正解ですわね。
ただ、これからのことを考えると憂鬱だわ。
この婚約は一体どうなるのかしら?
帝国大使から渡された父からの返答は無情なものでした。
噂を利用するとは何ですか?
放置せよと言われた方が遥かに分かり易いというもの。なぜ利用することになるのですか。
【お前の評判が落ちればそれだけボルゴーヌ王国の評価がさがる。今、帝国内でお前は注目されている。周辺国はボルゴーヌ王国の態度に不信感を抱いている。数年前の王妃殿下の件もあるからだ。王妃の件が風化している中で、帝国貴族の令嬢がボルゴーヌ王国の貴族と婚約し、蔑ろにされているとなれば、嫌でも王妃殿下の一件が思い起こされるだろう。注目が集まるのは必然だ。その隙に付け込むのだ】
父の言うことは理解できます。
けれど、それはあまりにも乱暴すぎますわ。
第一、私がボルゴーヌ王国に滞在している理由はフリッド様と婚約しているからです。その婚約を背景に王国の大学に留学している身です。
私が帝国のスパイだと疑われたらどうするおつもりなのかしら?
【帝国貴族とはいえ我々は新参者。疑惑を持たれることは少ないだろう。こちらとしてもお前の安全は全力で守るので安心するといい。そのために大使館に滞在させているのだからな。ブランシュ、王家やオーファンラスター公爵家が何と言ってこようとも彼らの城に住まう事はないように。何があるか分からん。それと――――】
手紙はまだ続いていました。
読み進めていくうちに、とんでもないことに巻き込まれてしまっていることに気が付きました。
私、こんな面倒なことに関わるつもりはなかったのに!
「……とんでもないことになりましたわ」
父の手紙を読み終え、思わず天井を仰ぎ見てしまいました。
「お嬢様、どうされましたか?」
私の声に驚いたのか、部屋に待機していたメイドが慌てて駆けつけて来ました。
「少し疲れたみたい。紅茶を……いいえ、今日はハーブティーを入れてちょうだい」
手紙を読んでドッと疲れたのは本当です。ハーブティーを飲んで気持ちを落ち着けたいわ。
ハーブティーには心を落ち着かせる効果もあると言いますし。
メイドが退出すると、私はソファに座り込み、クッションを胸に抱き込みます。
お父様、こうなると分っていて私とフリッド様の縁組をまとめましたね。
まったく。
私を何だと思っているのでしょう。
凄腕の外交官でもなければプロのスパイでもなく、ただの公爵令嬢だというのに。
小娘一人で対応できると、お父様は本気で思っているのでしょうか!?
お父様、それは過剰評価というものです。
特別なスキルもなく、知識も経験も少ない小娘に過度な期待はしないでほしいものです。
本当に眩暈がしそうな展開です。
誰の意図でしょう?
皇帝陛下?
宰相?
それとも他の誰かかしら? どちらにしても迷惑極まりない話ですわ。
「お嬢様、ハーブティが入りました」
「ありがとう」
私はティーカップを手にして、その香りを楽しみます。
ハーブティーの豊かな香りが不安や困惑を和らげてくれるように感じました。
「良い香りね。心が安らぐわ」
「それは良かったです」
私はハーブティを一口。
「美味しい……」
ハーブティーの爽やかな香りが口の中に広がります。
おかげで少しだけ落ち着くことができました。
やっぱりハーブティーにして正解ですわね。
ただ、これからのことを考えると憂鬱だわ。
この婚約は一体どうなるのかしら?