悪女と罵られたので退場させていただきます!
21.オーファンラスター公爵side
息子の婚約白紙に打ちのめされていた数時間後。
「だ、旦那様!大変です!」
執事が慌てた様子で部屋に駆け込んできた。
私はその慌てように嫌な予感を覚えた。
「何があった?」
「フリッド様が……フリッド様が……」
「フリッドがどうした?」
「先ほど、近衛兵に連れて行かれました!」
「な、なんだと!?」
執事の話を詳しく聞くと、息子はジェニー王女殿下との不貞行為を疑われ、連れていかれたらしい。二人の噂は今に始まったことではないだろう!と憤慨する私に執事は「それだけではありません!」と報告する。
「実は、この騒ぎで、ジェニー王女殿下が倒れられまして……その、妊娠が発覚いたしました」
「な、なにぃいいいいい!?」
私は思わず叫んだ。
ジェニー王女殿下が妊娠!?
待て待て待て。
なんだそれは!
「以前からジェニー王女殿下は妊娠されていると噂になっておりました」
「それは知っている。だが、あれは噂だろう」
「事実だったようです」
「なんということだ……」
失敗した。
まさか王女が妊娠しているとは。
いや、あの側妃の娘だ。十分考えられる。
亡き王妃殿下は帝国出身。皇族ではないが、その血を引く名門貴族の出だった。それに対して側妃はしがない子爵令嬢に過ぎず、国王陛下の寵愛がなければ妃の地位すら危うかっただろう。
そんな側妃から生まれた娘だ。
立派な王女に育つはずがない。
だが、それを理解した上で交流してきた。
なんといっても国王陛下の愛娘だ。
一時は、フリッドとの婚姻を真剣に考えたほどだ。
王女だからというよりも、陛下からの恩恵を期待してのことだった。
上手く使えると思ったのも事実。
「腹芸のできないフリッドには荷が重すぎたか……」
国王陛下はどうお考えなのだろうか?
何といってもジェニー王女とその母である側妃は陛下のお気に入りなのだ。
国王陛下の寵愛を一身に受けているからといって、このままでは済まないだろう。帝国の目もある。
「それにしても胎の子は本当にフリッドの子なのか?」
仲の良い幼馴染。
兄と妹のような関係を維持していると思っていた。
とはいえ、二人は本当の兄妹ではない。赤の他人だ。幼馴染だからといって恋愛対象から外れるとは言い難い。
しかし、だ。どうも疑いたくなる。
あの男狂いの女の娘だ。そう簡単に信じれるわけないだろう!
「王女と噂になっていたのは、息子だけではないはずだ」
王女の幼馴染はフリッドだけではない。
男友達の多い王女殿下だ。
幼馴染も当然のように「男」が大半だった。
そしてその「男友達」は、大なり小なり王女と一度は噂になっている。
私がフリッドと王女の噂を笑い飛ばせたのは、そのせいでもあった。
「はい。ですが、ここ最近はフリッド様のみ噂の的になっておられたようでして……」
「状況証拠は十分ということか……」
私は頭を抱えた。
今まで放置していたのがいけなかった。
王女と幼馴染の恋の噂。
昔から囁かれていたソレは、フレッドだけが特別だった訳ではなかった。
だが結局は、噂好きの令嬢や暇な宮廷夫人の根も葉もない話だと片付けられてきた。
なのに何故だ?
今、噂に上っているのはフリッドだけ。
おかしいだろう!
誰かが意図的に噂を流しているのか?
一体何のために?
……これは調べる必要があるな。
「ジェニー王女殿下とその母親である側妃について調査しろ。特に、王女の妊娠時期がいつなのかを重点的にだ」
「かしこまりました!」
執事は一礼すると部屋を出ていく。
私はその後ろ姿を見ながら深い溜息を吐いた。
「フリッド……」
息子の身を案じる気持ちはある。
だが……。
「だ、旦那様!大変です!」
執事が慌てた様子で部屋に駆け込んできた。
私はその慌てように嫌な予感を覚えた。
「何があった?」
「フリッド様が……フリッド様が……」
「フリッドがどうした?」
「先ほど、近衛兵に連れて行かれました!」
「な、なんだと!?」
執事の話を詳しく聞くと、息子はジェニー王女殿下との不貞行為を疑われ、連れていかれたらしい。二人の噂は今に始まったことではないだろう!と憤慨する私に執事は「それだけではありません!」と報告する。
「実は、この騒ぎで、ジェニー王女殿下が倒れられまして……その、妊娠が発覚いたしました」
「な、なにぃいいいいい!?」
私は思わず叫んだ。
ジェニー王女殿下が妊娠!?
待て待て待て。
なんだそれは!
「以前からジェニー王女殿下は妊娠されていると噂になっておりました」
「それは知っている。だが、あれは噂だろう」
「事実だったようです」
「なんということだ……」
失敗した。
まさか王女が妊娠しているとは。
いや、あの側妃の娘だ。十分考えられる。
亡き王妃殿下は帝国出身。皇族ではないが、その血を引く名門貴族の出だった。それに対して側妃はしがない子爵令嬢に過ぎず、国王陛下の寵愛がなければ妃の地位すら危うかっただろう。
そんな側妃から生まれた娘だ。
立派な王女に育つはずがない。
だが、それを理解した上で交流してきた。
なんといっても国王陛下の愛娘だ。
一時は、フリッドとの婚姻を真剣に考えたほどだ。
王女だからというよりも、陛下からの恩恵を期待してのことだった。
上手く使えると思ったのも事実。
「腹芸のできないフリッドには荷が重すぎたか……」
国王陛下はどうお考えなのだろうか?
何といってもジェニー王女とその母である側妃は陛下のお気に入りなのだ。
国王陛下の寵愛を一身に受けているからといって、このままでは済まないだろう。帝国の目もある。
「それにしても胎の子は本当にフリッドの子なのか?」
仲の良い幼馴染。
兄と妹のような関係を維持していると思っていた。
とはいえ、二人は本当の兄妹ではない。赤の他人だ。幼馴染だからといって恋愛対象から外れるとは言い難い。
しかし、だ。どうも疑いたくなる。
あの男狂いの女の娘だ。そう簡単に信じれるわけないだろう!
「王女と噂になっていたのは、息子だけではないはずだ」
王女の幼馴染はフリッドだけではない。
男友達の多い王女殿下だ。
幼馴染も当然のように「男」が大半だった。
そしてその「男友達」は、大なり小なり王女と一度は噂になっている。
私がフリッドと王女の噂を笑い飛ばせたのは、そのせいでもあった。
「はい。ですが、ここ最近はフリッド様のみ噂の的になっておられたようでして……」
「状況証拠は十分ということか……」
私は頭を抱えた。
今まで放置していたのがいけなかった。
王女と幼馴染の恋の噂。
昔から囁かれていたソレは、フレッドだけが特別だった訳ではなかった。
だが結局は、噂好きの令嬢や暇な宮廷夫人の根も葉もない話だと片付けられてきた。
なのに何故だ?
今、噂に上っているのはフリッドだけ。
おかしいだろう!
誰かが意図的に噂を流しているのか?
一体何のために?
……これは調べる必要があるな。
「ジェニー王女殿下とその母親である側妃について調査しろ。特に、王女の妊娠時期がいつなのかを重点的にだ」
「かしこまりました!」
執事は一礼すると部屋を出ていく。
私はその後ろ姿を見ながら深い溜息を吐いた。
「フリッド……」
息子の身を案じる気持ちはある。
だが……。