総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
……っ! キスされる……!?
反射的に、私は両手で口元を覆った。
流石に、去年の二の舞にはならない…!!
至近距離で視線がぶつかると、琥珀の動きがぴたりと止まった。
あと数センチで、私の手の甲に彼の唇が触れるという距離。
今日の琥珀、明らかにおかしい。
ふと、彼の瞳の下に、隠しきれない色濃い隈を見つけた。
「琥珀…何かあった……?」
一瞬、表情が凍った。
すぐに笑顔を貼り直したが…隠せていない目の下のクマ。
「……なんもないけど?」
「嘘。明らかに顔色悪いよ。最近、ちゃんと寝てる?」
琥珀はふっと視線を逸らした。
「……人の心配してる場合? 今、君、俺にキスされかけてるんだよ? もっと危機感持ちなよ」
「……っ、それは……っ!」
焦る私を見て、琥珀は話をはぐらかそうとする。
でも、その声はかすかに掠れていた。