総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




「何してる、かぁ。研究だよ。見ての通り。」

「……地下にこんな気味の悪い部屋作って、深夜にコソコソやる研究って何。怪しすぎでしょ。」



天音くんが吐き捨てるように言うと、男はふっと唇を歪めた。



「許可を取れない研究だからね。」



眼鏡の奥の目が私達を順番に舐めるように見た。



「……赤羽叶兎くん。それと、朝宮胡桃さん。」



名前を呼ばれた瞬間、私の心臓がドクンと大きく跳ねた。



「……俺たちのこと知ってるんだ?」

「知ってるよ。…よく、ね。」



男がゆっくりと作業台の方へ歩き、注射器を一本、指先で愛おしそうに弄ぶ。



「君たちが来るのは想定内だったよ。むしろ遅いくらい。 」

「……は?何言って──」



男は振り返って微笑んだ。

けど、その笑顔の温度が急に消えた。

研究者の仮面の下から、もっと別の何かが顔を覗かせている。



「最近の吸血鬼暴走事件、気になってるでしょ?あれ、全部俺がやったんだよ。」



あっさりと。

当然であるかのように、彼は自分の罪を口にした。



< 253 / 254 >

この作品をシェア

pagetop