総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
「……こっちの行動を監視してたのか」
九条くんが警戒しながら琥珀を見る。
「人聞き悪いなぁ。たまたまだって。それよりさ、取引しない?」
……取引?
思わず私たちは顔を見合わせた。
「ハンターとしても、あのデータ流出は放置できないんだよね。もしあそこに犯人がいるなら、共同で突入した方がお互い効率いいでしょ?」
「……断る」
時雨くんが間髪入れずに、即答した。
「え、即答?」
「ハンターは信用できない」
「ひどいなー。俺は別に指揮下に入れって言ってるわけじゃないよ。情報と戦力の共有。それだけ」
時雨くんは数秒の間、何かを測るように沈黙した。
そして、重々しく口を開く。
「……あの中に、叶兎がいる」
その言葉が出た瞬間、琥珀の顔から初めて余裕の笑みが消えた。
……というか、琥珀に言っちゃっていいの…?!