総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




「……赤羽叶兎が、捕まったってこと?」



「だからハンターの都合で動かれたら困る。もし突入中に叶兎を誤射でもされたら──」

「ちょっと待って。それ上層部には報告した?」

「……特警の上層部、ごく一部にだけ」



私たちの間に、重苦しい沈黙が降りた。


叶兎くんが捕まったなんて噂が広まれば、何を言われるかわからない。

後継者としては認められたけど、まだ正式に私の父麗音が引退した訳ではないから。


だから、大々的には動けない。



「……まあ、全体に報告したら大騒ぎになるか。……でもさ、俺がここに来なかったら、君たちこの少人数であの要塞みたいな施設に突っ込むつもりだったでしょ?」



図星だった。

今の状況では外部に助けを求めることもできず、増援も望めない。



「正直に言うよ。あの施設、相当な防壁が張られてる。無策で入ったら、君たち全滅するよ」



……。

何も言い返せない……。



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