総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
部屋には小さな窓が一つだけあるけど、それは外の景色が見えるだけの窓で、人間の力で開閉することなんて絶対に不可能な構造になっていた。
……完全に、閉じ込められた。
「強引すぎるでしょ、…………っ」
頭を抱えて、その場にしゃがみ込む。
どうしよう。
私がいつまでも屋敷に帰らなかったら、叶兎くんはきっと血眼になって心配するに決まっている。
それに、卯月要の行方を追わなきゃいけないこの大事な局面に、こんなところでじっと閉じ込められている場合じゃないのに……!
──それから、どれくらい時間が経っただろう。
体感では、1時間くらいは経過している気がする。
だけど実際はもっと短いかもしれないし、逆に長いかもしれない。
部屋にあった少し重ためのパイプ椅子を持ち上げて、ドアに向かって思いきり体当たりをかましてみる。
ドンッ!!!
「……っ…無理か……」
鈍い音が部屋に響くだけで、鉄製の分厚い扉はビクともしなかった。
無駄に体力を消耗しただけで、額にじんわりと汗がにじみ、息が上がる。
…私が予定の時間を過ぎても戻らないことに叶兎くんが気づくのも、時間の問題だと思う。
……連絡手段が、何もないんだよね…。
「叶兎くん、知ったら絶対に怒るだろうなぁ……」
ぽつりと、誰もいない部屋に呟きが落ちる。