総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




もし叶兎くんがこの事を知ったら……せっかく築き上げてきたハンターとの良好な共存関係がすべて台無しになってしまう。


なんなら、叶兎くんが私の奪還のためにこのハンター本部に単身で無理やり乗り込んできかねない。


それだけは絶対に避けたかった。

これ以上、立場が悪くなるようなことだけは、何としてでも阻止しなきゃいけない。



「何か、ここから出る方法か、外に連絡する手段は……」



藁にもすがる思いで私は部屋の中をもう一度隅々まで見回した。


スチール製のデスク、何かの通信端末の充電器、古い書類が詰まった本棚、そして……。


デスクの端に、目が留まる。



「あ……」



琥珀の私物か、あるいはハンターの共有物かは分からないけど、充電ケーブルに繋がれたままの『情報端末』がぽつんと一台置き去りにされていた。

ハンターの内部ネットワークに直接接続されているタイプの端末。



パスワードがかかっているかもしれないし、下手に触って操作すれば、アクセスログが残ってすぐにバレてしまうかもしれない。



だけど……。


ここで何もしないで待ってるよりはマシ……!




私は意を決して、デスクの上に置かれたその端末へと、そっと手を伸ばした。













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