総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
「私ね、叶兎くんのことしか見てないよ」
ちゃんと伝えたくてそう言うと。
叶兎くんは視線を泳がせてから、軽く咳払いをする。
そして私の手首を取って、きゅっと指を絡めながらそのまま引き寄せられた。
「あのね。俺、独占欲の塊なの。ホントは俺以外の男と喋ってほしくないって思ってるし」
至近距離で見つめられて、心臓が跳ねる。
「でもそこまで縛るのは嫌だから我慢してる」
……というか、そんなふうに思ってたんだ。
「…別に、叶兎くんになら束縛されてもいいよ……?」
自分でも、時々思い切ったことを言ってしまっている自覚はある。
そう言うと、今度は叶兎くんの方が一瞬、黙った。
「…………胡桃って俺を狂わせる天才なの?」
「え?狂…?」
「そういうことは簡単に言わないの。」
繋いだ手を、ぎゅっと握られる。
でも、その力は優しくて。
大切なものを確かめるみたいだった。
「次行こ!もっと街案内したい!」
叶兎くんは空気を切り替えるようにまた優しく笑って、私の手を引いて歩き出した。