総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
部屋の前で時雨くんと別れてから、部屋に戻ってベットの縁に腰を下ろした。
部屋は静まり返っていて、叶兎くんはまだ戻ってきていないみたい。
今頃、何してるのかな……。
一人でそんなことを考えていた、まさにそのときだった
──ガチャ。
廊下の方から少し乱暴な音がした。
ドアが開いて、重たい足音が近づいてくる。
「たーだいまー……」
いつもより少し間延びした声。
視線を向けると、そこにはネクタイを緩めた叶兎くんが立っていた。
いつもより少し頬が赤くて、目は少しとろんとしていて……。
いかにも、酔っている。
「おかえり。……飲んだ?」
「ん、飲まされた」
不満そうに唇を尖らせながら、叶兎くんはふらふらとした危なっかしい足取りでこちらに近づいてくる。
倒れてしまいそうなその歩調にヒヤヒヤして、私は思わず立ち上がり駆け寄った。
「だ、大丈夫?」
「胡桃がいるから大丈夫〜」
どんな理屈!?
思わず心の中でツッコミを入れてしまったけど、当の本人は至って大真面目な顔をしている。