乙姫の独占欲

乙姫の独占欲

 助けたかめに連れられて竜宮城へ来た浦島太郎。乙姫様は美しく、たいやひらめが舞い踊る。おいしい料理がどんどん出されます。楽しい時間が浦島太郎には流れていました。浦島太郎は時間を忘れて楽しく過ごしていました。

 乙姫様は言いました。
「もう少しゆっくりしていったらいいのに」
太郎は家族のことが気になったので一旦帰宅することを言い出しました。
「今日の所は一旦帰宅します。素敵な時間をありがとうございました」
 乙姫様はとてもとても残念な顔をしました。

「この箱は玉手箱。何でも保存ができる万能な保存容器なんですよ。今まで私の老いを閉じ込めていたのですが、どうしても保存したいものができたので、中身を交換しようと思います」
 そういって立派な箱をひとつ取り出しました。
 乙姫様は太郎のことを大変気に入っていました。鏡には、乙姫様の本当の姿がうつっておりました。そして、箱を見つめてうっとりしていました。鏡にうつる顔は、若い美しい女性ではなく、何百年と生きた老婆の姿でした。





★解説
 玉手箱は何でも保存できるので、今までは乙姫様の老いを閉じ込めていたのです。自分の老化を解放することと引き換えに浦島太郎の魂を玉手箱に閉じ込めたという話です。だから、太郎を保存しておきたいという気持ちがあったのでしょう。
 乙姫様の陰謀によって、浦島太郎を独り占めにするべく年月を奪っていたのなら愛が深すぎて怖いですね。独占欲というのは時に人を狂わせてしまうのかもしれないと思います。
 実際乙姫様は太郎のことが大好きだったという説が濃厚みたいですね。
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