箱入り令嬢ですが恋がしたいのです〜選ばれなかった御曹司に溺愛されて結婚します〜
プロローグ
 私は愛されている。
 だからこそ、自由がない。

「佳乃にはこれが似合うわ。あなたの綺麗な黒髪にもぴったり!」

「本当……素敵な桜色……」

 ――本当はこっちのラベンダー色の方が好きなんだけどな。なんならもう少し濃い紫とか着てみたい。

「素敵よねぇ。イヤリングはこのパールにしましょ? ネックレスも一緒でとっても素敵」

「うん、素敵……」

 テーブルに並ぶアクセサリーはどれも高級感溢れる煌めかしい宝石ばかり。真珠やダイヤ、オパールなど目が眩みそうだ。でも私はもっと華奢なゴールドのアクセサリーや、少し派手なシルバーのフープピアスなどをつけてみたりしたいんだ。

 ――フープピアスなんかつけたいって言ったらママは悲鳴を上げちゃうかも。

「佳乃には絶対そんな品のないもの似合わないわ! 佳乃はパールやダイヤの方が可愛いお顔に映えるんだから!」

 ずっと、可愛いと褒められ愛されて暮らしてきた。何不自由なく、たくさんのものを与えてもらって不満なんかない。ないけれど、心の奥ではずっと、ずっと満たされない思いを抱えてきている。
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