Bella Notte
 気さくでいつも私を女の子扱いしてくれる、優しいお兄さん。
 今日も可愛いって褒めてくれて、同級生の男子にはない余裕が私を素直にさせてくれる。

 忙しくなってきたのもあって、いつもより手早くセットするその手元は相変わらず魔法みたいで目が離せない。

 ハルはユルフワ編み込みのまとめ髪。私は少し巻いて緩くまとめてくれた。

「楽しんでね!」と笑顔で見送られる。

 慣れない下駄に格闘しながら、待ち合わせのコンビニまで歩く。

 「ねぇ、楓、山口君ってすごく優しくてカッコいいね!あの有名俳優さんみたい」

 ハルが頬を赤らめてる。

「うん。そうでしょ。だけどハル、桜井の前でそんな顔しちゃったらまた大変だよ〜?」

 と釘を刺す。
 こんな日に嫉妬の嵐に巻き込まれるのはゴメンだ。

「そりゃ、優くんが1番だけどね」

 とても可愛い笑顔でノロけられたので、私も笑顔ではいはいと受け流す。

「でね、楓。今日は井川君も誘ったから、告白とかしちゃえば?」

 ニヤリとハルが笑う。
 でも、最近気付いたこの気持ちは溢れんばかりで今すぐ伝えたいとかそこまでの気持ちではないような。

 何というか、ただ遠くから眺めてドキドキしていたいというか。

 ハルは、私が黙って考え込んでいるのを横目に1人納得して言う。

「まぁ、楓にはまだ早いか」
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