Bella Notte
「んー、まだ無理かも。こんな気持ちは初めてだし、まずは私の事知ってもらいたいな」

 ふふとハルが笑っている。

「それこそ、付き合った後にお互いを知って行くのもいいんじゃない?」

 そこまで話してたら、待ち合わせ場所に着く。

 付き合う。そこまでに告白があるわけで。
 もう、頭の中が忙しなくて考えがまとまらない。

「とりあえず、今日を楽しんで。楓らしく」

 そう言って笑い私の手を引くハルがいつもより大人びて見えて少し胸が高鳴った。

 コンビニに目を向ければ一際目を引く桜井と、その隣に日に焼けた肌の爽やか男子が。

 井川君がいる。

 心臓がうるさいくらいに鳴り出す。
 いつも一方的にみてるだけだった彼と、瞳が合う。
 それだけでもう立っていられないくらい足が震える。

 桜井が纏わり付く女の子達を上手くあしらってハルと私の元へやってくるのが見えた。

 桜井が「可愛い。」と赤くなって呟いている。
 ハルも「ありがとう」って赤くなって俯いてる。

 いつもなら優しい気持ちで見守るそのやり取りも今日だけは、遠い所から聞こえてくるみたいに現実味がない。

 ふわふわと地に足がついてない感じがして、思わずふらつく。
 「こんばんは」って笑う井川君を前に、やっとの事で挨拶を返す。

 上手く笑えてない。そして、恥ずかしすぎてもう顔を上げられない。

「楓は馬子にも衣装だな」

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