Bella Notte
(俺も海外へ、と考えていたところだけど。具体的に何も決まっていない今は何も言えない)

 「そっか……それは、頑張らないとな、お互いに」
 上手く笑えていたか分からない。

 「そうだ、お腹空いてないかな?今日はね、時間があったから優斗の好きなローストビーフを作ったんだ」

 優しい笑顔でそう言って、キッチンへ行こうとする楓。
 その手を思わずそっと掴んで見つめると少し驚いた様子で振り返ってくれた。

 「どうかした?」
 そう言って気遣うように向き直ってくれる。
(寂しいって本当の気持ちは、言わない方がいい)

 「ううん、一緒に準備する。行こう」
 何とか誤魔化して立ち上がり楓の隣に立つ。


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