Bella Notte
 「優斗、お前に楓を任せるからな。俺の見る目は間違ってない。優斗ならきっと楓を守って一緒に幸せになれるって分かってるから」
 その言葉が、全身を震わせるくらい嬉しくて。

 思わず涙ぐみながら。
 「はい、何があっても」
 そう返事をした。

 「ただ、アイツは強情な所があるからな。ま、あきらめずによろしく頼むよ」
 そう言って煌めく海に映える爽やかな笑顔。

(それからしばらくして、おじさん達は……)
 思わず瞳が潤んでしまう。

 優斗は写真を見つめたまま、しばらく時が止まる。
(お父さん……俺は楓と幸せになります。あの日は俺の原点です)
 隣で静かに微笑んでいる楓の視線を感じながら、ようやく口を開く。

 「……この日、写真を撮る前に俺、楓のお父さんに言われたんだ。『楓を任せる』って。泣きそうになって、でもそう言ってもらえて幸せで」
 楓が少し驚いたように目を見開く。

「お父さんそんな事言ってたの?だから優斗こんなに柔らかく笑ってたの?」

「ああ。すごく嬉しかった。だって好きな人のお父さんから認められたから。色々あって離れた事もあったけど、今こうして楓が隣にいてくれてるから……お父さんとの約束を守れてるんじゃないかって思ってる」

 楓がそっと優斗の手に触れてきて、その瞳は涙が溢れそうになって。
「そうだったんだ」
 そっと呟くその言葉には、暖かな愛が溢れている。

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