Bella Notte
 久しぶりのサロンは変わりなく、オシャレで落ち着く空間。

 ミカドシルクの光沢が上品に彩るソフトスレンダーラインとミドルトレーンのシンプルなウエディングドレスを纏って。

 上質なチュールで出来た柔らかで透明度の高いロングウエディングベールは、裾に印象的なレースの刺繍が品よく配置してある。

 姿見の鏡の中の私は、今までで1番美しいと素直に思えた。

「楓ちゃん……綺麗……」

 ベールを付けながら健人くんが、涙目で笑い気味で鏡越しに見つめてくれた。

「健人くん、ありがとう」

 そうこうしていると優斗がサロンのドアを開けて、私を見たまま時が止まっている。

(そう言えば、これがファーストミート)

 優斗はシックなスリーピーススーツに蝶ネクタイを締めているけれど、もうカッコよすぎて直視出来ない。
 視線を少しずらして俯いた。

「楓……」

 愛しさの溢れる暖かな視線を受けて、思わず泣きそうになる。
 そっと側へやってきた優斗。

「綺麗だ」

 そう言って、目じりの涙をそっと掬ってくれる。

 サロンの大きな1枚窓の前で向き合い心の底から湧き出してくる幸せを噛みしめた。

 ここはまだ両親が生きていた頃、優斗と良く景色を見てはお喋りして遊んでいた場所。
 湧き上がる懐かしさと、愛しさ。

 「楓ちゃん、優斗君。ここで2人して将来結婚しようって言ってたの覚えてる?」

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