Bella Notte
金木犀の咲くころ
――――楓ちゃんがイギリスへ行ってから5年が経った。
いつものように寝室に差し込む朝日で目を覚ましシャワーを浴びてから、仏壇の前で手を合わせる。
「洋一さん、節子さん、今日は楓ちゃんが世界で一番幸せになる日です。2人の代わりに、見届けてきます。」
『ありがとう、健人』
洋一さんと、節子さんの声が聞こえた気がして瞼を開くと、2人の遺影が何だかいつもより笑顔に見えた。
そして金木犀が咲きほこる、どこまでも高く澄んだ秋空の下世界一綺麗な笑顔の楓ちゃんから背中を押された。
『ありがとう、健人くんも幸せになって』
やっと止まっていた時間が動き出すのを感じる。
幸せと少しの寂しさに包まれたまま、温かなベッドで眠りについた。
そうして朝日が昇り1日が始まる。
だけど、予感がするこれから先の未来はきっと……。
――――今日は、結婚式。
そう私と桜井……ううん、私と優斗の。
本当に大切な人だけを招待した小さな結婚式は生まれ育ったこの町で、と2人で決めて。
彼の両親、それから健人くんも大喜び。
ハルはアメリカから飛んで帰ってくると電話で興奮していたし、文乃なんて絶対行くから、と息巻いていたし。
会場は、私の自宅がある海を見渡せる丘の上。
サロンで健人くんが花嫁のお支度をしてくれた。
いつものように寝室に差し込む朝日で目を覚ましシャワーを浴びてから、仏壇の前で手を合わせる。
「洋一さん、節子さん、今日は楓ちゃんが世界で一番幸せになる日です。2人の代わりに、見届けてきます。」
『ありがとう、健人』
洋一さんと、節子さんの声が聞こえた気がして瞼を開くと、2人の遺影が何だかいつもより笑顔に見えた。
そして金木犀が咲きほこる、どこまでも高く澄んだ秋空の下世界一綺麗な笑顔の楓ちゃんから背中を押された。
『ありがとう、健人くんも幸せになって』
やっと止まっていた時間が動き出すのを感じる。
幸せと少しの寂しさに包まれたまま、温かなベッドで眠りについた。
そうして朝日が昇り1日が始まる。
だけど、予感がするこれから先の未来はきっと……。
――――今日は、結婚式。
そう私と桜井……ううん、私と優斗の。
本当に大切な人だけを招待した小さな結婚式は生まれ育ったこの町で、と2人で決めて。
彼の両親、それから健人くんも大喜び。
ハルはアメリカから飛んで帰ってくると電話で興奮していたし、文乃なんて絶対行くから、と息巻いていたし。
会場は、私の自宅がある海を見渡せる丘の上。
サロンで健人くんが花嫁のお支度をしてくれた。