Bella Notte
動き出す、恋
「ただいま」
 朝帰りが少し気まずいと思いつつ、そっと玄関の扉を開けて、天窓から差し込む朝日がキレイなリビングへ行く。

「おかえり」
 何故か文乃と健人君がいる。
 昨夜誰と居たのか知っているらしい2人は何故かすごく優しい笑顔で私を見てきた。

「ちょうど朝食の時間なんだけど、一緒にどうかな」
 
 爽やかな笑顔で健人君から聞かれた。
 飲みすぎて食欲がない、と答えれば。

「じゃあ、紅茶だけでも」
 
 暖かいミルクティを淹れてくれる為に席を立ってくれた。

「健人君ありがとう」
 
 ソファに座る文乃の隣に座った。
 
「昨夜は、心配かけてごめんね。私1人で帰ってしまった感じだよね」
 
 あまり事情分からないけれど、と付け加えた。

「いいの、楓」
 
 そういって文乃が頭を撫でてくれる。
 しばらくされるがまま、放心状態でいると、その私の様子をみた文乃。
 
「その様子だと、やっと気づいたのかな」
 
 そういって微笑む。

 疑問と、戸惑いと……。
 複雑な気持ちが入り混じって何も言えなくなった。

「でも。私から言えることは何もないよ」
 先手を打つように釘を刺された。

 分かってる、沢山考えて、桜井と話さないと。
 
「でも、……楓は、桜井の事本当に何とも思えない?」
 
 何とも思えないかと聞かれれば、それは違うと思う。
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