ダイヤの首輪─先生の歪んだ愛に囚われて─
 次の日、大学に行こうとしたら、家の前に先生がいた。
 今は授業中なはず。なぜここに。

 車にもたれかかりながら、私を睨んでいる。
 私は怖くて走った。

「なんで逃げるんだよ!」

 捕まった。
 車に押し込められて、尋問される。

「先生が女の人と歩いてるのを昨日見て凹んでたんです……」

 情けなくて涙が出てきた。
 先生はため息をついていた。

「あれは……大学時代の元カノ」

 元カノ。
 背が高くてモデルさんみたいだった。
 志穂さんもそうだけど、そういう人の方が見てて先生とバランスがいい。

「あんな綺麗な人と付き合ってたんですね」

 私なんて、先生と二十センチくらい身長差あるし、スタイルもあまり良くない。
 顔も特別可愛いとかではない。

「先生はなんで私なんかが好きなんですか?」
「は?」
「他にもいるじゃないですか、素敵な人」

 その時、思い切り抱きしめられた。

「見た目とかどうでもいい。ただ、俺がお前を欲しかっただけ」

 先生の指が肌の上を滑っていく。
 びっくりして体が震えた。

「そういう顔するから、お前は無自覚に男を惹き寄せるんだよ」

 よくわからない。

「お前さ……元カレとかいるの?」
「へ?」

 先生の目が怖い。

「えーと、中学の時に一人だけ」

 この時、言ったことを激しく後悔した。
 両手を掴まれ、押し倒されてしまった。

 怖い!

「何をしたか全部言え」

 その時ふと先生の手の力が弱まった。

「お前、あの時……初めてだったよな?」

 う……バレていた。
 恥ずかしい。

「はい……」

 先生は安心していた。

「痛かった?」
「聞かないでください」

 先生は事細かく私の中学時代に付き合っていた元カレの事を聞いてきて、その人とのキスは頬に少し、と言ったら、上書きするように塗り替えられてしまった。
 どこにデートに行ったかまで聞かれ、今度そこに行くことになった。

 先生、流石にそれはやりすぎなんじゃないでしょうか。
 私はとんでもない人を好きになってしまったのかもしれない。

「先生、ところで授業は?」
「時間あったから抜けてきた、でももう戻る」

 先生と離れる瞬間、安堵と寂しさが混ざり合う。
 不思議な気持ち。

 別れ際にキスをして、先生は学校に戻った。
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