ダイヤの首輪─先生の歪んだ愛に囚われて─

第36話

 私はその日、久々に愛美と会った。

「久しぶりー!」

 愛美とはお互い忙しくてなかなか会えなかった。
 愛美は数年でかなり大人っぽくなった。
 カフェで二人でずっと会えなかった時の間のことを話していた。

白乃(しの)は卒業後どうするの?」

 高校の時の友達は誰も知らない。
 というか愛美くらいしか会ってない。

「えーと、私、教員になろうとしてて……」

「え!白乃が教師!?かなり意外なんだけど!」

 自分でもそう思う。
 先生のことがなければ、多分私は教員を目指さなかった。

「あー、白乃見てたら夏雄先生思い出した!先生、結局結婚しなかったんだって噂で聞いたよ」

 それは私のせい。
 でも誰にも言えない。

「先生まだ独身なんだー。久々に見てみたいなー」
「あ、愛美はどこか就職したいところとかあるの?」

 先生の話から逸らしたかった。

「私ねー服飾系に興味持っちゃって、これからどうするか考え中」
「愛美はセンスいいからそういうの向いてそう!愛美に凄い合うと思う!」

 もう皆将来を考えて動き出す。
 学生時代はあっという間に過ぎる。

「あれ……?ねぇ、あの人、夏雄先生に似てない?」

「え?」

 振り返って窓ガラスから見える、あの面影。先生だ。
 でも隣に誰か女の人がいる。

「やっぱあれ先生だよね?先生彼女いるんだー。モテるんだねやっぱ」

 私は何も言葉が出なかった。
 その後、体調が悪いと言って、家に急いで帰って布団の中に潜った。

 わかってる。
 先生は浮気するタイプではない。
 志穂さんの時は、私に浮気していたようなものだったけども。

 あー!

 そう考えると信じられなくなってくる!
 先生が他の男の人に嫉妬するように、私だって嫉妬してるんだ。

 その時、スマホに着信があった。
 先生だった。
 とても会話できるメンタルじゃないから無視した。

 その後も何度も何度もかかってきて、着信音が聞こえないようにして無視した。
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