ダイヤの首輪─先生の歪んだ愛に囚われて─
 ──これは想定外。

 私を無理やり連れてきたくせに、ひどいよ……。
 愛美がいてくれるから安心だったのに。

 困っている私のもとに、また先生が近づいてきた。
 廊下に、私たち二人だけ。
 静寂が重くのしかかってくる。
 逃げ場がない。

「また会えたね」

 先生は、私の顔に近づいて囁く。
 全身がゾクゾクして、震えた。

 恐る恐る見上げると、先生は——

 また、あの目をしていた。
 私の心を、すべて見透かしたような目。

「この前のワンピースまた着てきたんだ」

 無意識に着てきてしまってた。

 先生はその時、私の頬に手を伸ばしかけた──

 けど、すぐに止めた。

「これ以上近づいたら、まずいね……」

 先生は私の前を通り過ぎた。

「また会えるといいね」

 その言葉には、どこか含みがあった。
 それは約束なのか、それとも──。
 先生は職員室に入っていった。

 私はその場に立ち尽くしていた。

 先生の心が、まったくわからなかった。
< 7 / 66 >

この作品をシェア

pagetop