冷徹御曹司による甘やかな執愛契約婚
Prologue
「……でね、仲通さんが本当に優しくて誠実だと思ったから碧羽にはきちんと紹介したくて」
「いや、それは褒めすぎだよ麻琴さん。あまり僕のハードルを上げられるのは、かなり困るんだけど」
母のこんな幸せそうな笑顔を見るのは久しぶりな気がする。そんな彼女につられたように優しく微笑むのは、遠くない未来に私の父となる人だ。お似合いの二人だと思うし、私もこの報告を心から喜んでいて。
「ええ? そんなの問題ないわよ、だって――」
だけれどあまりにも私に惚気てくるので、ちょっと揶揄ってやりたい気分になってしまうのだ。母子で育ったためか姉妹のような仲良く暮らしてきたので、余計になのかもしれないが。
「はいはい、お二人がどれだけ想い合っているかは良く分かりましたし? お邪魔虫は涼しい外の風にあたりにでも行って来ようっと、ふふ」
「もう! そうやって親を揶揄うんだから、碧羽は」
そう言いながらも悪い気はしていないのだろう、初めて見る母の恋する表情に複雑な気持ちを感じながらもやはり嬉しいと思う。女手一つで私を大学卒業させてくれた人だ、これからはどうか自分の幸せのために生きてほしいから。
「……まあまあ、麻琴さんと良く似てるじゃないか。正直なところ、こうして会ってみて僕はホッとしたよ」
「仲通さん……」
そんな二人のやり取りを微笑ましく聞きながら、私はそのままそっと席を離れて外の空気を吸いに行った。
「いや、それは褒めすぎだよ麻琴さん。あまり僕のハードルを上げられるのは、かなり困るんだけど」
母のこんな幸せそうな笑顔を見るのは久しぶりな気がする。そんな彼女につられたように優しく微笑むのは、遠くない未来に私の父となる人だ。お似合いの二人だと思うし、私もこの報告を心から喜んでいて。
「ええ? そんなの問題ないわよ、だって――」
だけれどあまりにも私に惚気てくるので、ちょっと揶揄ってやりたい気分になってしまうのだ。母子で育ったためか姉妹のような仲良く暮らしてきたので、余計になのかもしれないが。
「はいはい、お二人がどれだけ想い合っているかは良く分かりましたし? お邪魔虫は涼しい外の風にあたりにでも行って来ようっと、ふふ」
「もう! そうやって親を揶揄うんだから、碧羽は」
そう言いながらも悪い気はしていないのだろう、初めて見る母の恋する表情に複雑な気持ちを感じながらもやはり嬉しいと思う。女手一つで私を大学卒業させてくれた人だ、これからはどうか自分の幸せのために生きてほしいから。
「……まあまあ、麻琴さんと良く似てるじゃないか。正直なところ、こうして会ってみて僕はホッとしたよ」
「仲通さん……」
そんな二人のやり取りを微笑ましく聞きながら、私はそのままそっと席を離れて外の空気を吸いに行った。