13年後に再会した幼馴染と愛され生活始めます。
 美澪は頭で理解するまでにかなりの時間を要したが。その後、お風呂にゆっくりと浸からせてもらうと、自由になれた喜びが身体の底からじわじわと込み上げてきた。
「本当に、会社……辞められるんだ……」
 やっぱり夢を見ているんじゃないかと、頬を抓ってみる。ちゃんと痛い。
 口許が震える。
 四年間、耐え続けた地獄から、こんなにもアッサリ抜け出せるなんて思ってもいなかった。

 お風呂から出ると、蒼士がドライヤーで髪を乾かしてくれた。
「だいぶ傷んでるな」
「美容室に行く時間もないし、お風呂も簡単に済ませてたし。反省してます」
「それだけ疲れてたんだろう。明日は早くに起きる必要もないから、好きなだけ寝ていろ」
「でも、辞められても次の仕事を探さなきゃ」
「沙莉ちゃんを助けるための貯金?」
「うん……生きがいだから」

 蒼士はドライヤーを止め、逡巡した後、提案してきた。
「じゃあ……さ、俺の家政婦って名目でここに住んでよ」
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