色褪せて、着色して。Ⅵ~黒薔薇編~
ぐいっと首に何かが巻き付いて。
立ち上がったと同時に、こめかみに冷たいものが当たった。
何が起きたのかわからず、フリーズしていると。
部屋に入ってきたハガネが「てめえ、何してやがる!」と言って。
水の入ったグラスを放り投げて、割れた。
割れた音を合図にナオミとバニラが部屋にやって来た。
「まあ!」
と、バニラが口をおさえたのを見て。
ようやく、自分の置かれている状況を理解した。
「このお嬢さんの命が惜しかったら、車を用意してください。そして、私たちは城に向かいます」
「ジジイ、なんてことしてやがる!」
まさか、調律師のおじいさんが貴族の人間を捕らえて拳銃を突きつけてるとは誰が想像出来たろうか。
いつも堂々しているハガネが動揺しているのがわかった。
「言うことを聴かないと、撃ちますよ」
ああ、自分の頭に引っ付いているのは、やっぱり拳銃なのか…
この国に拳銃なんてあったのか。
危機的状況だというのに。
意外と自分が冷静になってしまうのは何故か。
「車は用意するが、すぐには用意できるかわからねえ」
パニクってるハガネを尻目に。
ナオミが言った。
「車でも馬車でも結構。城に行く手段を用意してください」
「城に行って何しやがる!」
「そんなの国王に会いに行くんですよ」
飄々と答えたトムじいは小さい声で、
「ねえ、国王の寵姫さん」
と言った。
サーと血の気が引いて行くのがわかった。
「ナオミ様、侯爵様にお電話を。侯爵様が無理でしたら、とにかく馬車か車のご用意を」
バニラがトムじいを睨みつけながら言った。
ナオミが部屋を出て行く。
ハガネは、所持している長剣を鞘から抜いてトムじいに向けた。
「やめなさい、ハガネ。私が死んじゃうでしょうが」
「ジジイがこっちに攻撃してくる可能性だってあるだろうが」
拳銃に対して剣ってどうなんだ…
「トムじい様。教えてくださいませ。国王にお会いしてどうなさるのです? 国王の命を狙われるのですか?」
こんな時でも、遠慮なく質問してくるバニラの神経のず太さに。
「ええ」と声が出てしまう。
立ち上がったと同時に、こめかみに冷たいものが当たった。
何が起きたのかわからず、フリーズしていると。
部屋に入ってきたハガネが「てめえ、何してやがる!」と言って。
水の入ったグラスを放り投げて、割れた。
割れた音を合図にナオミとバニラが部屋にやって来た。
「まあ!」
と、バニラが口をおさえたのを見て。
ようやく、自分の置かれている状況を理解した。
「このお嬢さんの命が惜しかったら、車を用意してください。そして、私たちは城に向かいます」
「ジジイ、なんてことしてやがる!」
まさか、調律師のおじいさんが貴族の人間を捕らえて拳銃を突きつけてるとは誰が想像出来たろうか。
いつも堂々しているハガネが動揺しているのがわかった。
「言うことを聴かないと、撃ちますよ」
ああ、自分の頭に引っ付いているのは、やっぱり拳銃なのか…
この国に拳銃なんてあったのか。
危機的状況だというのに。
意外と自分が冷静になってしまうのは何故か。
「車は用意するが、すぐには用意できるかわからねえ」
パニクってるハガネを尻目に。
ナオミが言った。
「車でも馬車でも結構。城に行く手段を用意してください」
「城に行って何しやがる!」
「そんなの国王に会いに行くんですよ」
飄々と答えたトムじいは小さい声で、
「ねえ、国王の寵姫さん」
と言った。
サーと血の気が引いて行くのがわかった。
「ナオミ様、侯爵様にお電話を。侯爵様が無理でしたら、とにかく馬車か車のご用意を」
バニラがトムじいを睨みつけながら言った。
ナオミが部屋を出て行く。
ハガネは、所持している長剣を鞘から抜いてトムじいに向けた。
「やめなさい、ハガネ。私が死んじゃうでしょうが」
「ジジイがこっちに攻撃してくる可能性だってあるだろうが」
拳銃に対して剣ってどうなんだ…
「トムじい様。教えてくださいませ。国王にお会いしてどうなさるのです? 国王の命を狙われるのですか?」
こんな時でも、遠慮なく質問してくるバニラの神経のず太さに。
「ええ」と声が出てしまう。