色褪せて、着色して。~黒薔薇編~
 我が夫、太陽様は。
 本当に帰ってこない。
「あの、マヒル様。これだけは伝えようと思って…」
「うん?」
 セリくんはじぃーと私を見た。
「太陽様はちゃんと、マヒル様のことを大切に思ってますから」
「そうです。マヒル様がなんであっても、偉い人でも。大切に思ってますから」
「僕たちが言うのも変だけど…」
 急に何のフォローだろうと首を傾げる。
「太陽様によろしく伝えておいてください」
「……」
 涙腺が弱くなる。
 もう、話さないでほしい。
 無意識にセリくんの腕をつかんだ。

「お別れなんて嫌だ」
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