完璧美人の私が恋したのは、眼鏡オタクのSEでした
 優希は、少しだけ緊張していた。
 (……初デート、だよな)

 仕事では迷わないのに、
 こういうことになると、
 とたんに自信がなくなる。

 失礼があってはいけない。
 それだけは避けたかった。

 土曜日の朝、
 優希は表参道にある
 有名な美容室を訪れた。

 「えっと……」

 鏡の前で、少し考えてから言う。

 「自分に合う感じで、
  いい感じにしてください」

 美容師は一瞬だけ優希を見て、
 にこりと笑った。

 「お任せください」

 カットが終わり、
 鏡を見た瞬間――
 優希は、思わず目を瞬かせた。
 (……あれ?)

 前髪は整い、
 全体もすっきりしている。
 どこか、自分じゃないみたいだ。

 「……いいですね」

 思わず本音が漏れる。

 「元がいいですから」

 さらっと言われて、
 優希は少し照れた。
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