恋に臆病な私と恋を知らなかった御曹司の距離が、ゼロになるまで【完】
引っ越し当日は土曜日で、朝から慌ただしかった。
充輝と来海、それぞれの部屋から運び出された荷物が次々と新居へと運び込まれていき、段ボールの山はみるみるうちに積み上がって部屋のあちこちを占領していった。
二人が選んだ部屋は2LDKの間取りで、それぞれの個室を作るかどうかで悩んだ末、ひとまず洋室が二つある間取りをと選んだけれど、
「やっぱり、別々の部屋はいらないよね」
「だな。つーか寝室別とか有り得ないし」
結局、個室は作らないことに決め、一つは二人の寝室、もう一つはクローゼットが大きめなこともあり、共用の仕事部屋兼衣装部屋として使うことにして、作業をしたり着替えたりと自由に使える空間になっている。
そして、ひと通りの荷物が運び込まれて引っ越し業者が引き上げた後、ようやく二人きりの時間になる。
けれど、落ち着く間もなく片付けが始まったのだが、それでも思うようには進まない。
「……結構処分して来たつもりだったけど、まだ多かったかな」
床に積まれた段ボールを見つめながら来海が苦笑する。
「全然片付かないね」
「ま、焦ることもないし」
対する充輝はあっさりと言って手を止めた。
「今日はもう諦めて、さっき届いたピザ食べよっか」
そう言いながらローテーブルの上にピザの箱を置く。
どうやら既に“休憩モード”に入っている様子だった。
「はい、取り皿」
「ありがとう」
片付けを一旦中断した二人は並んで座ると、少し早めの夕飯としてデリバリーのピザに手を伸ばした。
「……何か、不思議」
「ん?」
「今までもお互いの部屋に行き来したり、泊まったりはしてたけど……こうやって一緒に住むなんてさ」
どこか照れたように笑うと、
「だな」
充輝も頷きながら言う。
「でも、悪くないだろ?」
「うん。すごく、いい」
自然と視線が合い、二人は柔らかく笑い合った。
夕飯の後、少しだけ片付けを再開し、それぞれ順番に風呂へ入り、朝からの作業で疲れていることもあって早めに寝る支度を整えた。
充輝が先に寝室へ向かい、来海はリビングの灯りを消してから後を追う。
扉を開けると充輝が既にベッドに腰掛けていて、
「来海」
名前を呼んで手招きする。
「……?」
何だろうと思いながら来海が近づいた、その瞬間、ぐいっと腕を引かれ――そのまま抱きしめられた。
「充輝?」
驚いた声を上げる来海を充輝は逃がさぬようにぎゅっと抱き寄せて耳元で静かに囁いた。
「こうしてこれからずっと一緒にいられると思うと、幸せ過ぎる」
その言葉は、飾り気のないまっすぐな想いだった。
充輝と来海、それぞれの部屋から運び出された荷物が次々と新居へと運び込まれていき、段ボールの山はみるみるうちに積み上がって部屋のあちこちを占領していった。
二人が選んだ部屋は2LDKの間取りで、それぞれの個室を作るかどうかで悩んだ末、ひとまず洋室が二つある間取りをと選んだけれど、
「やっぱり、別々の部屋はいらないよね」
「だな。つーか寝室別とか有り得ないし」
結局、個室は作らないことに決め、一つは二人の寝室、もう一つはクローゼットが大きめなこともあり、共用の仕事部屋兼衣装部屋として使うことにして、作業をしたり着替えたりと自由に使える空間になっている。
そして、ひと通りの荷物が運び込まれて引っ越し業者が引き上げた後、ようやく二人きりの時間になる。
けれど、落ち着く間もなく片付けが始まったのだが、それでも思うようには進まない。
「……結構処分して来たつもりだったけど、まだ多かったかな」
床に積まれた段ボールを見つめながら来海が苦笑する。
「全然片付かないね」
「ま、焦ることもないし」
対する充輝はあっさりと言って手を止めた。
「今日はもう諦めて、さっき届いたピザ食べよっか」
そう言いながらローテーブルの上にピザの箱を置く。
どうやら既に“休憩モード”に入っている様子だった。
「はい、取り皿」
「ありがとう」
片付けを一旦中断した二人は並んで座ると、少し早めの夕飯としてデリバリーのピザに手を伸ばした。
「……何か、不思議」
「ん?」
「今までもお互いの部屋に行き来したり、泊まったりはしてたけど……こうやって一緒に住むなんてさ」
どこか照れたように笑うと、
「だな」
充輝も頷きながら言う。
「でも、悪くないだろ?」
「うん。すごく、いい」
自然と視線が合い、二人は柔らかく笑い合った。
夕飯の後、少しだけ片付けを再開し、それぞれ順番に風呂へ入り、朝からの作業で疲れていることもあって早めに寝る支度を整えた。
充輝が先に寝室へ向かい、来海はリビングの灯りを消してから後を追う。
扉を開けると充輝が既にベッドに腰掛けていて、
「来海」
名前を呼んで手招きする。
「……?」
何だろうと思いながら来海が近づいた、その瞬間、ぐいっと腕を引かれ――そのまま抱きしめられた。
「充輝?」
驚いた声を上げる来海を充輝は逃がさぬようにぎゅっと抱き寄せて耳元で静かに囁いた。
「こうしてこれからずっと一緒にいられると思うと、幸せ過ぎる」
その言葉は、飾り気のないまっすぐな想いだった。