恋に臆病な私と恋を知らなかった御曹司の距離が、ゼロになるまで【完】
そして、数週間後。
役所へと向かう道すがら、来海がふと足を緩めた。
「何だか……ここに来るまでに色々なことがあったね……」
その言葉に充輝は小さく笑う。
「……確かに。俺が来海のことを好きだって自覚してから、まだ一年ちょっとなんだけどさ……人生の中でも、かなり濃い時間だった気がする」
「だね」
恋愛に良い印象を持てなかった来海と、そもそも恋愛に興味を持てなかった充輝。
そんな二人が出会い、惹かれ合い、様々な障害も乗り越えて――ここまで来た。
来海は手にしていた婚姻届をそっと開く。
「これを出したら……いよいよ夫婦になるんだね、私たち」
「この日をどれだけ夢見たか」
少し照れたように笑う充輝に来海は静かに問いかけた。
「……充輝は、今、幸せ?」
「決まってるじゃん。幸せだよ。来海は?」
「幸せだよ。それに、これからもっと幸せなことが待ってるんだって思うと……ちょっと怖いくらい」
「それ、わかる」
顔を見合わせて笑い合う二人。
そして充輝は来海の手をしっかりと握った。
「――じゃあ、行こうか」
「うん」
入籍は記念日にしようか色々考えた末、新たな記念日を作れば良いと、大安吉日の今日を選んだ。
これから、二人は夫婦になる。
重ねてきた時間も乗り越えてきた想いも、全てがこの瞬間へと繋がっていて、これから生まれてくる新しい命が二人の未来を更に強く結びつけていく。
二人の距離は、ようやくゼロになって、同じ歩幅で同じ景色を見つめながら——これからもずっと同じ未来へと歩んでいく。
-END-
役所へと向かう道すがら、来海がふと足を緩めた。
「何だか……ここに来るまでに色々なことがあったね……」
その言葉に充輝は小さく笑う。
「……確かに。俺が来海のことを好きだって自覚してから、まだ一年ちょっとなんだけどさ……人生の中でも、かなり濃い時間だった気がする」
「だね」
恋愛に良い印象を持てなかった来海と、そもそも恋愛に興味を持てなかった充輝。
そんな二人が出会い、惹かれ合い、様々な障害も乗り越えて――ここまで来た。
来海は手にしていた婚姻届をそっと開く。
「これを出したら……いよいよ夫婦になるんだね、私たち」
「この日をどれだけ夢見たか」
少し照れたように笑う充輝に来海は静かに問いかけた。
「……充輝は、今、幸せ?」
「決まってるじゃん。幸せだよ。来海は?」
「幸せだよ。それに、これからもっと幸せなことが待ってるんだって思うと……ちょっと怖いくらい」
「それ、わかる」
顔を見合わせて笑い合う二人。
そして充輝は来海の手をしっかりと握った。
「――じゃあ、行こうか」
「うん」
入籍は記念日にしようか色々考えた末、新たな記念日を作れば良いと、大安吉日の今日を選んだ。
これから、二人は夫婦になる。
重ねてきた時間も乗り越えてきた想いも、全てがこの瞬間へと繋がっていて、これから生まれてくる新しい命が二人の未来を更に強く結びつけていく。
二人の距離は、ようやくゼロになって、同じ歩幅で同じ景色を見つめながら——これからもずっと同じ未来へと歩んでいく。
-END-